高校生平和大使の決意
 被爆65年の節目に 2

「応援してくれた人たちの思いを無駄にしたくない」と話す松永さん=平戸市内

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高校生平和大使の決意 被爆65年の節目に 2 県立猶興館高2年 松永千幸さん(16)
今だからできること

2010/06/16 掲載

高校生平和大使の決意
 被爆65年の節目に 2

「応援してくれた人たちの思いを無駄にしたくない」と話す松永さん=平戸市内

県立猶興館高2年 松永千幸さん(16)
今だからできること

「人柄と責任感、平和実現への思い」が評価され、2回目の挑戦で選ばれた。「高校生の今だからこそ、できることがあると思うんです」

平戸市生月町在住。小学校の修学旅行で長崎原爆資料館を訪れたことをきっかけに平和問題に関心を持った。「見学していると悲しくなり、二度とこんなことが起きてほしくないと思った」と振り返る。

高校1年生の時に「まずは身近な所から」との思いで県北での高校生1万人署名活動に参加。しかし、長崎市では知名度がある署名活動も、平戸市ではあまり知られていない。「高校生はこんなことやっていないで、早く帰って勉強しろ」。心無い言葉も浴びせられた。「その時はうなずくことしかできなかった」。しかし、平和な世界を求める思いは曲げられない。「そこから一歩も引きませんでした」

平和大使に応募したきっかけはもう一つ。昨年4月に起きた第11大栄丸沈没事故だった。「(事故以降)どんよりした空気になっていた」生月を「地元出身の自分が活動する姿を見てもらうことで、少しでも元気づけたかった」という。

将来は看護師になるのが夢。平和大使決定後、新聞やテレビを見た友人から多くのメールが寄せられた。その中には「自分も一緒に活動したい」との内容も。「これまで応援してくれた人たちの思いを無駄にしたくない」。大役を果たす意気込みは十分だ。