献金ずさん記載 長崎県の大石知事、78件681万円 県知事20人の中で最多

長崎新聞 2025/05/05 [11:30] 公開

個人献金の住所表記問題で、大石賢吾知事(長崎県)の後援会の政治資金収支報告書には企業・団体の所在地などの記載が計78件あり、総額は同様の記載があった県知事20人の中で最多の681万円に上った。大石氏は昨年、県議との金銭の貸し借りや、2千万円の「二重計上」が問題視され、収支報告書を訂正。住所表記問題では複数の知事側が誤記を認めて訂正する意向を示しており、大石氏も再び訂正が必要となる可能性がある。

 大石氏の後援会は「寄付者の書いた通りの住所を記載しているため、企業所在地が含まれたものと認識している」とコメント。一方で、訂正の必要性があるかどうかには触れなかった。

 大石氏の後援会の政治資金収支報告書を巡っては、2022年知事選で選対本部長を務めた自民県議側から計286万円を借りたと記していたが、県議会で「政治倫理上の問題がある」と指摘されて「寄付」に訂正した経緯がある。この286万円は医療団体からの寄付が原資だったため「脱法的な迂回(うかい)献金」との意見も出た。

 また、県医師信用組合から知事選の活動費として借りた2千万円を、選挙運動費用収支報告書の収入欄に記入する一方、自身の後援会の政治資金収支報告書にも2千万円を貸し付けたと記載。返済金を受け取った。大石氏は「誤った二重計上」と認め、貸し付けなどの記載を削除し、返済金を返還した。これに対し、東京の弁護士らは「架空貸し付け」の疑いがあるとして刑事告発している。