どうぶつ基金病院壱岐島が開院 無料で猫の不妊手術 1年間限定で空き施設活用 長崎県

長崎新聞 2025/05/03 [12:10] 公開

動物の不妊・去勢手術のための医療機器を積んだワゴン車の前に立つ永井獣医師(中央)と佐上理事長(左)、篠原市長=壱岐市芦辺町

動物の不妊・去勢手術のための医療機器を積んだワゴン車の前に立つ永井獣医師(中央)と佐上理事長(左)、篠原市長=壱岐市芦辺町

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長崎県壱岐市は猫の不妊手術を無料で実施する拠点病院として同市芦辺町に「どうぶつ基金病院壱岐島」を開設した。犬猫の殺処分ゼロを目指す公益財団法人どうぶつ基金(兵庫県)と共同で本年度、3千匹を目標に猫の不妊手術を実施する。1年間限定で空き施設の旧しんぎょれんを活用する。
 市は、野良猫を捕獲して不妊・去勢手術し、地域に戻すTNR活動を推進している。本年度は獣医師の交通費や宿泊費などを補助するほか、TNR活動を毎月1週間から10日間実施する際、シルバー人材センターから人手を確保。市民団体「壱岐島わんにゃんお守り隊299(にくきゅう)」メンバーのうち9人を会計年度任用職員とし、捕獲・回収などで公用車を使用し、保険も適用する。
 4月27日に開院式があり、同基金の佐上邦久理事長や永井和樹獣医師、篠原一生市長、299の松嶋純子代表らが出席。篠原市長は「壱岐で成功させ日本中に広がっていくプロジェクトにしていきたい」とあいさつ。佐上理事長は壱岐の猫を4千~5千匹と推測しており、「行政と民間が一緒に取り組む島全体でのTNR活動は世界的にも初めてではないか。必ず成功させたい」と語った。