長崎県知事の火・水“庁外対話” 昨年度は8回のみ 曜日設定の見直し検討

長崎新聞 2025/05/03 [11:30] 公開

大石賢吾知事は昨年3月、長崎県民との意見交換や現場視察の機会を増やすため、火曜日から水曜日午前にかけては、できる限り庁外に出て対話する方針を表明した。しかし、昨年度は日程調整がうまくいかず、県内での“庁外対話”は8回にとどまった。職員らからは「そもそも曜日を決めて県内を回るのは無理がある」との声も漏れる。先月24日の定例会見で大石知事は今後も対話を続けるとしながらも、曜日にはこだわらない姿勢をみせ、日程調整の在り方を見直す考えを示した。

 大石知事が新たな取り組みとして庁外対話を打ち出したのは昨年3月の定例会見。施策推進や県勢発展のために「必要」と強調した。一方、知事は職員との打ち合わせのほか、陳情やPRでの来客も多い。周囲には、トップの外出が増えれば業務が滞らないかという懸念もあったが、移動中にリモートで対応するなど「工夫して影響が出ないようにする」と自信をのぞかせていた。

 県によると、昨年度の庁外対話は昨年5月と今年2月にそれぞれ2回ずつ、昨年4、9、12月、今年3月に各1回の計8回。年間に火・水曜日は約50回あり、15%程度にとどまった。訪問先も長崎、諫早、大村、新上五島の4市町で県内21市町の20%程度だった。

 一方、火・水曜日の県外出張は9回。うち大半は東京で各省庁を訪問するなどした。昨年6月以降は大石知事自らの政治資金問題が浮上し、議会への説明などに追われた。

 庁外対話の回数が伸びなかったことについて、先月の定例会見で大石知事は「行事や関係者の都合で難しかった。どのような形が効率がよいのか引き続き検討する」と述べ、曜日にはこだわらない姿勢も示した。一方、各地域への顔見せは「来年の知事選を見据えた動きでは、との見方がある」との質問に対しては「指摘には当たらない」と意図を否定した。