日本人初 長崎大レクナ・鈴木氏、核廃絶国際組織「パグウォッシュ会議」役員に 「対話促進に貢献」

長崎新聞 2025/02/23 [11:00] 公開

鈴木達治郎氏

鈴木達治郎氏

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核兵器と戦争の廃絶に取り組む科学者の国際組織「パグウォッシュ会議」の執行委員会委員長に、長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA=レクナ)教授の鈴木達治郎氏(73)が就任したことが21日、本人への取材で分かった。同委員長を含む役員に日本人が就任するのは初めて。
 鈴木氏は「厳しい核情勢の中、科学的な知見と世界の科学者が参加する組織の強みを生かし、各国間の対話促進に貢献したい。東アジアやインド太平洋地域の問題にも積極的に取り組みたい」と抱負を語った。
 鈴木氏によると、同会議は、約40人の評議員から選ばれた事務総長を中心に運営。執行委員会は事務総長を補佐し、活動の企画・運営を担う執行機関。委員長はそのトップで、事務総長と会長、評議会議長とともに役員となっている。
 鈴木氏は昨年12月に執行委員12人の一人に選ばれ、今年1月の執行委員会で委員長に選任された。任期は11月の次回評議会まで。専門は原子力政策や核不拡散政策。2007年から評議員を務め(日本政府の原子力委員会委員長代理だった10~14年は一時辞退)、15年に長崎市であった世界大会では組織委員長を務めた。
 被爆80年の今年11月、広島市で日本では4回目となる世界大会を開く。鈴木氏は「厳しい安全保障環境の中、緊張緩和を図るのが会議の大きな目的。会議を通し核軍拡の流れを変えたい」と話した。