「明治日本の産業革命遺産」が世界文化遺産に登録されてから今年で10年。長崎市はスマートフォンやタブレットを使い、構成資産「端島」(通称・軍艦島)の閉山直前の様子を現地で体感できるVR(仮想現実)や、見学中などに再生できるCGアニメーションを新たに制作した。25日、現地で報道機関向けデモンストレーションがあり、記者が現在の端島の様子と、炭鉱の島として栄えた当時の様子との違いを見比べた。
明治から昭和にかけて、良質な石炭を採掘してきた端島。世界一の人口密度を誇った時代もあったが、1974年に閉山し、無人島となった。
25日は、えびす丸(同市)が運航する「第七えびす丸」で同市以下宿町の野々串港を出発し、約20分で端島に到着した。VRとCGアニメの視聴は無料の専用アプリ「ストリートミュージアム」をダウンロードしたスマホやタブレットを利用。VRは衛星利用測位システム(GPS)と連動しており、現地に着くと見られるようになった。
第1見学広場では、当時あった貯炭場の様子を見ることができた。スマホをかざすと、草が生い茂る空き地に炭車修理場や立て坑やぐらが現れ、石炭が出炭される様子が浮かび上がった。スマホを動かすと360度の視界で当時の状況が見渡せた。
第2見学広場では、CGアニメで炭鉱員が入坑桟橋を渡る映像を視聴。解説は日本語、英語、中国語、韓国語で対応していた。
委託を受け制作した凸版印刷によると、100枚弱の古写真や文献などから当時を再現。さびなど質感にもこだわった。同様に同市高島の北渓井坑跡に関するCGアニメも制作した。
市は今後、クルーズを実施する船会社などにアプリを紹介し、上陸ツアー中に利用してもらう考え。市世界遺産室の岩﨑太志係長は「廃虚のイメージが強い端島だが、石炭で栄えた島だということを広く知ってほしい」としている。
明治から昭和にかけて、良質な石炭を採掘してきた端島。世界一の人口密度を誇った時代もあったが、1974年に閉山し、無人島となった。
25日は、えびす丸(同市)が運航する「第七えびす丸」で同市以下宿町の野々串港を出発し、約20分で端島に到着した。VRとCGアニメの視聴は無料の専用アプリ「ストリートミュージアム」をダウンロードしたスマホやタブレットを利用。VRは衛星利用測位システム(GPS)と連動しており、現地に着くと見られるようになった。
第1見学広場では、当時あった貯炭場の様子を見ることができた。スマホをかざすと、草が生い茂る空き地に炭車修理場や立て坑やぐらが現れ、石炭が出炭される様子が浮かび上がった。スマホを動かすと360度の視界で当時の状況が見渡せた。
第2見学広場では、CGアニメで炭鉱員が入坑桟橋を渡る映像を視聴。解説は日本語、英語、中国語、韓国語で対応していた。
委託を受け制作した凸版印刷によると、100枚弱の古写真や文献などから当時を再現。さびなど質感にもこだわった。同様に同市高島の北渓井坑跡に関するCGアニメも制作した。
市は今後、クルーズを実施する船会社などにアプリを紹介し、上陸ツアー中に利用してもらう考え。市世界遺産室の岩﨑太志係長は「廃虚のイメージが強い端島だが、石炭で栄えた島だということを広く知ってほしい」としている。