きょうから日米共同演習 長崎、福江両空港で初実施 有事の予防、抑止を強調

長崎新聞 2024/10/23 [11:02] 公開

日米同盟による防衛力の維持、強化の必要性を強調する吉田統合幕僚長(右)とケーラー米海軍太平洋艦隊司令官=佐世保市内

日米同盟による防衛力の維持、強化の必要性を強調する吉田統合幕僚長(右)とケーラー米海軍太平洋艦隊司令官=佐世保市内

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自衛隊と米軍は日米共同統合演習「キーン・ソード」(23日~11月1日)実施を前に22日、日米両指揮官による共同記者会見を長崎県佐世保市の米海軍佐世保基地に停泊している米ドック型輸送揚陸艦「サンディエゴ」で開いた。
 防衛省によると、2年に1度の実動演習で、今回は最大規模。九州や四国、東北、北海道の周辺海空域や自衛隊施設、米軍基地などで約4万5千人、艦艇約40隻、航空機約370機が参加する。オーストラリアとカナダ軍も加わる。
 県内では、対馬や五島、佐世保、大村、長崎などの基地や空港、港、発電所、山、米海軍施設で陸上作戦を実施。長崎空港(大村市)や福江空港(五島市)では航空作戦(統合防空ミサイル防衛訓練、統合対艦攻撃訓練)を初めて実施する。両空港は有事の際に自衛隊などの利用を想定し「特定利用空港・港湾」に指定されている。
 吉田圭秀統合幕僚長は「わが国周辺地域においても力による一方的な現状変更を試みる国々が軍事活動を活発化させている。ウクライナと同様の深刻な事態が起きる可能性を排除できないという強い危機感を抱いており、何としても予防、抑止する必要がある」と強調。空港などの使用については「平素から使用に慣熟しておくのは有事の時の部隊の展開、国民保護にとって大切」だと述べた。
 米海軍太平洋艦隊司令官のスティーブン・ケーラー大将は「日米同盟は地域の平和と安全の礎。正確かつ圧倒的な多領域、多軸作戦を実施し、日本やその他の同盟国やパートナー国に対する脅威に迅速に対応する能力を実証する」と演習に意欲を見せた。