衆院解散から一夜明けた10日午前、諫早市内であった自民党前職、加藤竜祥氏(44)の事務所開き。「私の不徳の致すところで政務官を辞任したが、この3年間は貴重な経験だった。心を新たにして、古里のために汗をかきたい」。加藤氏は党派閥裏金事件で政治資金収支報告書に10万円の不記載があった問題に自ら言及しつつ、再選への意気込みを語った。
2021年の前回衆院選は元衆院議員の父寛治氏の地盤を継いで立憲民主党の公認候補と対決。地元の島原半島で倍以上の得票差をつけて初陣を飾った。だが、今回は同事件の逆風がやまない中、区割り変更で旧3区の大村など3市が2区となり、選挙区域が一気に拡大。さらに事件の余波で比例重複立候補が認められず、背水の陣で選挙区勝利を目指す戦いを強いられることになった。
地元島原半島などで組織票を固め、票田の諫早市で相手を圧倒する-。陣営はそんな青写真を描くが、新たに編入された地域は党各支部に命運を託すしかなく、不安は尽きない。
とりわけ立民前職、山田勝彦氏(45)の地元である票田の大村市での戦いが鍵となる。同日、駆け付けた同市選出の県議らに、加藤氏の後援会幹部はすがるようにお願いした。「大村で1票でも上回ることがわれわれの使命。頼りにしています」
その山田氏は加藤氏の事務所開きの2時間前、事務所の目と鼻の先にある諫早市内の交差点で、通行人に笑顔で手を振っていた。
旧3区に立候補した前回衆院選は自民の谷川弥一氏=当時=に惜敗し、比例復活で初当選。その後、谷川氏の辞職に伴う半年前の旧3区補選で日本維新の会の新人候補との一騎打ちを制した。だが、補選とは環境が異なり、島原半島や諫早市での戦いは初めて。山田氏は「2期目は本当に短かった」と急な解散を皮肉った。
「選挙を2度戦ったことで確実に知名度は上がっている。これをどう支持率につなげるかが課題」。陣営は山田氏の地元大村市を固め、旧2区の諫早市と西彼長与、時津両町でも反自民の受け皿になろうと、支援労組を中心に浸透を急ぐ。
しかし大村市では自民を含む保守系議員が加藤氏支援で友好市議団を結成、陣営幹部は焦りを隠さない。「比例復活がないので相手も必死だ」。山田氏は自分に言い聞かせるように力説した。「自民におきゅうを据えたい人は確実にいる」
維新新人、横田朋大氏(37)は「有権者に選択肢を示すのが大事」とし、「身を切る改革を有言実行している政党は維新だけ」と強調。参政党新人、髙木聡子氏(42)は、地元大村市で街頭演説を重ね「子どもたちに明るい未来を」と教育改革を訴えている。
2021年の前回衆院選は元衆院議員の父寛治氏の地盤を継いで立憲民主党の公認候補と対決。地元の島原半島で倍以上の得票差をつけて初陣を飾った。だが、今回は同事件の逆風がやまない中、区割り変更で旧3区の大村など3市が2区となり、選挙区域が一気に拡大。さらに事件の余波で比例重複立候補が認められず、背水の陣で選挙区勝利を目指す戦いを強いられることになった。
地元島原半島などで組織票を固め、票田の諫早市で相手を圧倒する-。陣営はそんな青写真を描くが、新たに編入された地域は党各支部に命運を託すしかなく、不安は尽きない。
とりわけ立民前職、山田勝彦氏(45)の地元である票田の大村市での戦いが鍵となる。同日、駆け付けた同市選出の県議らに、加藤氏の後援会幹部はすがるようにお願いした。「大村で1票でも上回ることがわれわれの使命。頼りにしています」
その山田氏は加藤氏の事務所開きの2時間前、事務所の目と鼻の先にある諫早市内の交差点で、通行人に笑顔で手を振っていた。
旧3区に立候補した前回衆院選は自民の谷川弥一氏=当時=に惜敗し、比例復活で初当選。その後、谷川氏の辞職に伴う半年前の旧3区補選で日本維新の会の新人候補との一騎打ちを制した。だが、補選とは環境が異なり、島原半島や諫早市での戦いは初めて。山田氏は「2期目は本当に短かった」と急な解散を皮肉った。
「選挙を2度戦ったことで確実に知名度は上がっている。これをどう支持率につなげるかが課題」。陣営は山田氏の地元大村市を固め、旧2区の諫早市と西彼長与、時津両町でも反自民の受け皿になろうと、支援労組を中心に浸透を急ぐ。
しかし大村市では自民を含む保守系議員が加藤氏支援で友好市議団を結成、陣営幹部は焦りを隠さない。「比例復活がないので相手も必死だ」。山田氏は自分に言い聞かせるように力説した。「自民におきゅうを据えたい人は確実にいる」
維新新人、横田朋大氏(37)は「有権者に選択肢を示すのが大事」とし、「身を切る改革を有言実行している政党は維新だけ」と強調。参政党新人、髙木聡子氏(42)は、地元大村市で街頭演説を重ね「子どもたちに明るい未来を」と教育改革を訴えている。