海保初の女性潜水士 濵地さんに辞令交付 長崎・巡視船「でじま」で業務 「自分らしく頑張る」

長崎新聞 2024/08/08 [11:00] 公開

「自分らしく頑張りたい」と語る濵地さん=長崎海上保安部

「自分らしく頑張りたい」と語る濵地さん=長崎海上保安部

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長崎海上保安部(長崎市松が枝町)の巡視船「でじま」の潜水士に女性海上保安官の濵地多実さん(23)=福岡県出身=が配属された。海上保安庁が潜水士を配置した1970年以降、初の女性潜水士の誕生となった。
 7日、同保安部で辞令を交付した本野勝則部長は「持ち前の粘り強さで、一人でも多くの人命を救助してほしい」とエールを送った。

◎一問一答 

 -潜水士を目指したきっかけは。
 小学生の時に見た映画「海猿」で潜水士に魅了された。小学2年から水泳を習っていたこともあり、自分もなりたいと思った。

 -初めての女性の潜水士。選考会に女性が挑戦したのも初めてだった。
 女性、男性という性別はあまり気にしていない。何よりも潜水士になったことがうれしかった。自分らしく頑張っていきたい。

 -全海上保安官約1万4800人のうち、潜水士は121人。狭き門だが選考会や約2カ月間の研修でつらかったことは。
 第七管区の選考会に4人が出たが、シャトルランの回数が周りに比べて伸びず、正直落ちたかもと思った。研修でも体格差で不安になったり、10キロの重りを抱えて泳ぐことに慣れなかったり、大変なことはあったが同期の支えもあり、乗り越えることができた。

 -周りの反応は。
 家族からは「やっとなれたね」という言葉をもらった。高校卒業後、海上保安学校の入学試験に3回も落ちたので、それを知っている友人も喜んでくれた。

-3日から業務を開始したが、今後の目標は。
 まずは体力が大切なので、休日はひたすら筋トレをしているが、業務を開始してみて、知識も大切だと感じた。早く先輩たちに追いつけるよう、救難マニュアルを読み込んで、臨機応変に対応したい。