サッカーの明治安田J2は13、14日の第24節を終えて約3週間の中断期間に入った。V・ファーレン長崎は14勝9分け1敗の勝ち点51でJ1自動昇格(2枠)圏内の2位。一時は約4年ぶりの首位にも立ち、クラブのリーグ戦無敗記録をJ2歴代2位の「22」に伸ばすなど好調を維持している。残り14試合で首位清水、3位横浜FCと、それぞれ勝ち点1差。しびれる自動昇格争いは勝負の終盤戦に入る。
堅固な守備
今季はとにかく負けない。リーグ戦で黒星を喫したのは3月2日の第2節・仙台戦だけで、4カ月以上負け知らず。中3日などの厳しい試合日程で臨んだ第20節・仙台戦や第22節・徳島戦、第24節・甲府戦のアウェー3戦は試合終了間際のゴールで追いつくなど、劇的な展開が続いている。
要因として、下平監督がまず挙げるのが「守備力」。失点22はリーグ4番目の少なさで、無失点は10試合を数える。櫛引、田中らを中心にDFラインを的確にコントロールしてコンパクトな陣形を保ち、失点につながりやすいエリアにボールを運ばせない守り方をチームで共有できている。
下平監督は就任当初、攻撃時と同じ4-3-3で前線からのハイプレスをかける守備を模索していた。方針転換のきっかけは1月の沖縄キャンプ直前に実施したV長崎U-18との練習試合。ユースが長年実践している4-4-2のゾーンディフェンスの堅固さを見て、すぐに採用した。今季から守備面を担当する村上コーチはユースを指揮した経験があり、スムーズに構築が図られた。攻守に貢献する増山は「守り方が整理されている。誰一人さぼっていない」。指揮官が掲げた目標の1試合平均失点「1以下」もクリアしている。
リーグ最多
攻撃では特に外国人選手が好調だ。エジガルジュニオが14ゴールで得点ランキングトップを独走。後半途中からピッチに立つことが多い昨季の得点王フアンマも8点を決めている。1試合通して攻撃力は落ちず、通算47得点はリーグ最多。クラブ史上最多の70得点を記録した昨季の同時期「39」を上回っている。
秋野を中心としたビルドアップは試合を重ねるにつれて相手に対策はされたが、変化を加えながら進化している。田中のロングフィードやマテウスのキープ、マルコスや笠柳、松澤のサイドからの突破などを生かしてバリエーションを増やしている。米田や増山らサイドバックがゴール前に顔を出す場面も目立ち、攻撃に厚みが増した。無得点は3試合しかない。
後半が課題
課題は後半の失点の割合が高いこと。8割強の18点を後半に失っている。特にその半数が後半開始15分以内。リードして折り返すことが多いため、集中しきれないまま守備を崩されるケースも少なくない。下平監督も「気の緩みがある。修正しないといけない」とくぎを刺す。
引き分けの数も気になる。負けない一方で、引き分け「9」は2番目に多い。勝ち点は、勝てば3、引き分けは1。清水は既に6敗もしながら首位にいる。昇格するためには、勝ち点3を積み上げていく勝負強さが求められる。
声援を力に
昇格にはサポーターの後押しも不可欠だ。ホームの平均観客数7078人はリーグで8番目。首位清水の1万4850人とは2倍以上の開きがある。J1初昇格を決めた2017年シーズンがそうだったように、クラブ、チーム、サポーターが、さらに一体感を高めていく必要がある。
J1昇格を決めた讃岐戦など数々のドラマを生んできたトランスコスモススタジアム長崎でのホーム戦は残り4試合。10月からは新スタジアムで3試合が予定されている。再開初戦は8月3日。17位水戸をトラスタで迎え撃つ。
堅固な守備
今季はとにかく負けない。リーグ戦で黒星を喫したのは3月2日の第2節・仙台戦だけで、4カ月以上負け知らず。中3日などの厳しい試合日程で臨んだ第20節・仙台戦や第22節・徳島戦、第24節・甲府戦のアウェー3戦は試合終了間際のゴールで追いつくなど、劇的な展開が続いている。
要因として、下平監督がまず挙げるのが「守備力」。失点22はリーグ4番目の少なさで、無失点は10試合を数える。櫛引、田中らを中心にDFラインを的確にコントロールしてコンパクトな陣形を保ち、失点につながりやすいエリアにボールを運ばせない守り方をチームで共有できている。
下平監督は就任当初、攻撃時と同じ4-3-3で前線からのハイプレスをかける守備を模索していた。方針転換のきっかけは1月の沖縄キャンプ直前に実施したV長崎U-18との練習試合。ユースが長年実践している4-4-2のゾーンディフェンスの堅固さを見て、すぐに採用した。今季から守備面を担当する村上コーチはユースを指揮した経験があり、スムーズに構築が図られた。攻守に貢献する増山は「守り方が整理されている。誰一人さぼっていない」。指揮官が掲げた目標の1試合平均失点「1以下」もクリアしている。
リーグ最多
攻撃では特に外国人選手が好調だ。エジガルジュニオが14ゴールで得点ランキングトップを独走。後半途中からピッチに立つことが多い昨季の得点王フアンマも8点を決めている。1試合通して攻撃力は落ちず、通算47得点はリーグ最多。クラブ史上最多の70得点を記録した昨季の同時期「39」を上回っている。
秋野を中心としたビルドアップは試合を重ねるにつれて相手に対策はされたが、変化を加えながら進化している。田中のロングフィードやマテウスのキープ、マルコスや笠柳、松澤のサイドからの突破などを生かしてバリエーションを増やしている。米田や増山らサイドバックがゴール前に顔を出す場面も目立ち、攻撃に厚みが増した。無得点は3試合しかない。
後半が課題
課題は後半の失点の割合が高いこと。8割強の18点を後半に失っている。特にその半数が後半開始15分以内。リードして折り返すことが多いため、集中しきれないまま守備を崩されるケースも少なくない。下平監督も「気の緩みがある。修正しないといけない」とくぎを刺す。
引き分けの数も気になる。負けない一方で、引き分け「9」は2番目に多い。勝ち点は、勝てば3、引き分けは1。清水は既に6敗もしながら首位にいる。昇格するためには、勝ち点3を積み上げていく勝負強さが求められる。
声援を力に
昇格にはサポーターの後押しも不可欠だ。ホームの平均観客数7078人はリーグで8番目。首位清水の1万4850人とは2倍以上の開きがある。J1初昇格を決めた2017年シーズンがそうだったように、クラブ、チーム、サポーターが、さらに一体感を高めていく必要がある。
J1昇格を決めた讃岐戦など数々のドラマを生んできたトランスコスモススタジアム長崎でのホーム戦は残り4試合。10月からは新スタジアムで3試合が予定されている。再開初戦は8月3日。17位水戸をトラスタで迎え撃つ。