ろうあ者として初めて「平和への誓い」 山﨑榮子さん死去

2022/12/23 [11:00] 公開

「平和への誓い」の被爆者代表として手話で戦争の悲惨さを訴える山﨑さん=2003年8月9日、長崎市松山町、平和公園

 2003年に長崎市の平和祈念式典で、ろうあ者として初めて「平和への誓い」の被爆者代表を務めた山﨑榮子(やまさき・えいこ)さんが21日午後5時52分、老衰のため入所先の特別養護老人ホームで死去した。95歳。長崎市出身。自宅は兵庫県洲本市中川原町中川原28の1、特別養護老人ホーム「淡路ふくろうの郷」。葬儀は家族だけで営む。喪主は長女宮崎良子(みやざき・よしこ)さん。
 生まれつき耳が聞こえず言葉が話せなかった山﨑さんは18歳の時、疎開先の現在の西彼時津町で原爆に遭い、夕方に姉を捜すため爆心地近くの自宅に戻り入市被爆。泣く母の様子から姉の死を悟った。30年以上たって、手話による語り部となった。
 03年の式典では、自らの体験とともに「この命が続く限り、戦争の悲惨さと平和の尊さを語り続けていく」などと手話で訴え、大きな反響を呼んだ。