海星が準優勝! 弓道男子団体 長崎県勢61年ぶりの決勝進出 北部九州総体2024

長崎新聞 2024/08/07 [12:00] 公開

【弓道男子団体決勝、宇部フロンティア大香川-海星】県勢として61年ぶりに決勝に進んだ海星=島原市、島原復興アリーナ

【弓道男子団体決勝、宇部フロンティア大香川-海星】県勢として61年ぶりに決勝に進んだ海星=島原市、島原復興アリーナ

大きい写真を見る
長崎、大分、福岡、佐賀の4県を主会場とする全国高校総合体育大会(インターハイ=北部九州総体)は6日、各地で9競技が行われ、長崎県勢は弓道男子団体で海星が準優勝を飾った。弓道男子の決勝進出は1963年に優勝した島原以来、61年ぶり。女子団体の島原も7位と健闘した。
 登山団体に男女出場した長崎北陽台は、女子が2年ぶり3度目の優勝。男子も5位入賞を果たした。剣道団体の島原男女は準決勝進出を逃したが、そろって8強入りした。
 7日は各地でカヌー、新体操など6競技を実施する。

◎海星 受け継がれる教えを体現

 海星の射が全国に認められた。
 弓道男子団体の海星が県勢として61年ぶりに決勝進出。準優勝に輝いた。久留監督は「まだまだ勉強が足りない。上には上がある」と控えめな姿勢を崩さなかったが、昨夏の予選落ちから大きく飛躍。悲願のメダルを手にすると同時に、射技に優れた1校に贈られる技能優秀賞を獲得した。
 準々決勝の相手は昨夏3位の豊橋商(愛知)。格上との対戦だったが、普段通りに、淡々と弓を引いた。1番佐々野から9本連続で的中させて勢いに乗ると、今大会のチーム最高的中数となる17中を記録。準決勝の東農大三(埼玉)は全員が2巡目を的中させるなど「横のつながり」を発揮して1本差で競り勝った。
 決勝は宇部フロンティア大香川(山口)に12-17で敗れた。もちろん、悔しさは残ったが、とんでもない緊張感から解き放たれた選手たちの表情は穏やかだった。みんなが「楽しかった」と口をそろえた。そんな選手たちが見せた今回の快進撃は、会場を訪れた人たちの心を動かした。試合後、最高の敗者へ惜しみない拍手が送られた。
 今夏はもう一つ、達成感があった。弓道部を長年指導してきて、現在は部長を務める木村教頭を「やっと喜ばせることができた」。選手たちはそう言って、泣いた。木村部長、その教え子でもある久留監督、そして今の選手たちへ-。「淡々と目の前の試合に向き合ってベストを尽くす」。受け継がれる海星の教えを体現したチームが、地元で大輪の花を咲かせた。