あす平和フォーラム

長崎新聞 2025/03/07 [09:45] 公開

もちろん知ってるよ、だって長崎市民の必修科目でしょ…と真四角の折り紙を1枚もらって、まず小さく四つに折りたたんだら「あ、いきなり違うじゃないですか」とブーイング交じりの声と冷たい視線を浴びた▲そうか、初手は対角線で折って三角形が定跡だったか-と記憶を掘り起こして作業を振り出しに戻す。ただし「いや、この折り筋が後で生きるんよ」と負け惜しみのひと言は忘れず▲本社報道部の記者たちは、出先から戻って原稿を出し終えると、デスクの問い合わせに備えつつ机の折り紙でツルを折るのがこのところの日課になっている。小欄もお手伝いを-と申し出たのが冒頭のひとこま▲ところで、初手が四つ折りでも対角線でも、手順はやがて一つに合流して、折り鶴は完成に向かっていく。今は核兵器禁止条約にも締約国会議にも背を向けたままの政府も、いつかきっと被爆者や被爆地の願いに合流してくれるはず-と書くのは、こじつけと希望的観測が過ぎるか▲日本原水爆被害者団体協議会のノーベル平和賞受賞を県民に報告する長崎被災協の「長崎平和フォーラム」(長崎新聞社共催)があす長崎ブリックホールの国際会議場で開かれる▲記者たちの折り鶴は千羽近くに増えた。基調講演の演壇やパネル討論のテーブルを飾ると聞いた。(智)