長崎国際大 女子ソフトボールチーム誕生 全国目指して本格強化へ

2021/10/19 [11:00] 公開

長崎国際大に新設された女子ソフトボール同好会の選手たち=長崎国際大グラウンド

 長崎国際大(長崎県佐世保市)に女子ソフトボールチームが誕生した。今年6月、初心者を含めた同好会としてスタート。来年度以降、本格的に強化を図る方針だ。進学と競技継続を望む高校生の新たな受け皿として期待されるチームのスローガンは「地域貢献」。5年以内の全国出場と学内の強化指定部への昇格を目指している。

 屈指の強豪県

 長崎県はこれまで、何度も日本一に輝いてきた高校男子を筆頭にソフトボールが盛ん。高校女子も九州文化学園高が2016、17年夏のインターハイで2年連続3位に入り、18年春の全国選抜大会で準優勝。19年は県選抜が秋の茨城国体で日本一に輝いた。今年も長崎商高が全国選抜大会で3位、インターハイで優勝。両校を中心に全国屈指の強豪県になった。
 一方で、女子が高校卒業後に競技を続けるためには、県外の大学に進学するか、数少ない社会人チームに入るしかなかった。長崎国際大も00年の開学当初は女子ソフトボール部があったが、3年ほどで廃部に。この状況を打破しようと、約2年前にソフトボール経験者の学生たちが動いた。
 現在は佐世保市の公務員で、九州文化学園高時代に主将だった寳藏寺桃香さんらが在学中、チーム結成を計画。コロナ禍で遅れたが、後輩たちが意志を継いで同好会発足までこぎ着けた。
 最初は未使用だったグラウンドの除草や整備などから始め、経験者の男子学生らの協力も得ながら練習中。この秋からは九州地区大学連盟の大会に参戦予定だ。

 指導者も歓迎

 「高校生の進学の際の選択肢になればうれしいし、それまでのライバルが集まってやる楽しさもある」。発起人の寳藏寺さんはそう期待を込め、今も時間があれば練習に参加している。硬式野球部などで部長を務めてきた准教授の新藤照夫部長兼監督も「地域に愛され、社会貢献できるチームになる。将来的には実業団に選手を送り込めるようになれば」と理想像を描いている。
 この動きを高校の指導者たちも歓迎する。九州文化学園高の碇昌朋監督は「地元での進学、就職までを考えてみても、いい循環が生まれそう。国体チームの成年女子の強化の面でも楽しみ。すぐ結果を出すのは難しいだろうが、高校とも連携しながらやっていければ」と前向きだ。県ソフトボール協会も支援の意思を示している。
 選手数も今はぎりぎりだが、来春以降は有力な経験者も複数入学する見込み。その活動資金不足を補うため、チームの保護者会はクラウドファンディングを始めた。11月5日まで寄付を呼び掛けており、金額もページ閲覧数も伸びている。
 九州文化学園高出身の岩永舞穂主将(4年)は「学業と両立しながら上を目指していけるチームになって、一人でも多くの人がソフトを続けたいと思える受け皿になっていけばうれしい」と意気込んでいる。

活動に向けてグラウンドを整備する選手ら=長崎国際大グラウンド