長崎県の佐世保市相浦港からフェリーで約20分の場所にある高島(高島町)。インターネット接続が不安定で島民の悩みの種になっている。こうした状況を受け、高島の持続的な活性化などを目的に活動する一般社団法人が、休眠預金の助成を受けインターネット用のアンテナを島内数カ所に設置し、改善に取り組んでいる。
高島の人口は約150人。島に光通信網はなく、島民は携帯電話やホームルーターなどを使ってネットを利用している。
だが、電波が不安定なため通信速度が遅く、動作一つ一つに時間がかかる。LINE(ライン)での動画、写真の送受信はできないことが多く、島民の間では「受信しないのが当たり前」になっているという。雨風が強い日はさらに速度が遅くなり、ネットはほとんど使えない状態になる。
◆
そこで改善に乗り出したのが一般社団法人高島活性化コンベンション協会ESPO(エスポ)。エスポは父親の出身地の高島で水産加工工場を運営する「ACS」(岐阜県)の社長、重村友介さん(46)が中心となり2023年に発足した。
高島の発展にはネット環境の改善が必要と感じていた重村さんは、島民からの要望も受け「一般財団法人未来基金ながさき」から休眠預金の助成を受けて取り組むことに。費用や整備の手間を踏まえ米国の宇宙企業「スペースX」が手がける衛星インターネットサービス「スターリンク」に決めた。
島内4カ所にアンテナを設置し、工事は2月に完了。子どもたちの教育の充実を図るため島内の市立相浦小高島分校と市立高島保育所に、加えて人が集まる高島漁業体験館と直売所「A-shop☆」に取り付けた。助成は来年2月までのため、それ以降は各施設を管理する行政や地域に維持、管理を移管する予定だ。
「スターリンク引き渡し式」が高島分校で開かれ児童などが参加。佐野貞現(さだあき)校長らのあいさつの後、児童らはパソコンでスターリンクの通信速度の速さを体験。クリックするとすぐにページが開くことや途中で止まることなく動画を視聴できることに驚いた様子で「速い!」と歓声が上がった。5年の江口正虎(まさと)さん(11)は「速度が速くなったので授業の調べ物もたくさんできる。とてもうれしい」と感謝した。
重村さんは「今後はスターリンクの通信速度の安定性などデータを集め、島内全体のインフラとしても利用できるかを行政と協議していきたい」と話した
高島の人口は約150人。島に光通信網はなく、島民は携帯電話やホームルーターなどを使ってネットを利用している。
だが、電波が不安定なため通信速度が遅く、動作一つ一つに時間がかかる。LINE(ライン)での動画、写真の送受信はできないことが多く、島民の間では「受信しないのが当たり前」になっているという。雨風が強い日はさらに速度が遅くなり、ネットはほとんど使えない状態になる。
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そこで改善に乗り出したのが一般社団法人高島活性化コンベンション協会ESPO(エスポ)。エスポは父親の出身地の高島で水産加工工場を運営する「ACS」(岐阜県)の社長、重村友介さん(46)が中心となり2023年に発足した。
高島の発展にはネット環境の改善が必要と感じていた重村さんは、島民からの要望も受け「一般財団法人未来基金ながさき」から休眠預金の助成を受けて取り組むことに。費用や整備の手間を踏まえ米国の宇宙企業「スペースX」が手がける衛星インターネットサービス「スターリンク」に決めた。
島内4カ所にアンテナを設置し、工事は2月に完了。子どもたちの教育の充実を図るため島内の市立相浦小高島分校と市立高島保育所に、加えて人が集まる高島漁業体験館と直売所「A-shop☆」に取り付けた。助成は来年2月までのため、それ以降は各施設を管理する行政や地域に維持、管理を移管する予定だ。
「スターリンク引き渡し式」が高島分校で開かれ児童などが参加。佐野貞現(さだあき)校長らのあいさつの後、児童らはパソコンでスターリンクの通信速度の速さを体験。クリックするとすぐにページが開くことや途中で止まることなく動画を視聴できることに驚いた様子で「速い!」と歓声が上がった。5年の江口正虎(まさと)さん(11)は「速度が速くなったので授業の調べ物もたくさんできる。とてもうれしい」と感謝した。
重村さんは「今後はスターリンクの通信速度の安定性などデータを集め、島内全体のインフラとしても利用できるかを行政と協議していきたい」と話した