楽天グループが14日発表した2024年12月期連結決算は、本業のもうけを示す営業損益が529億円の黒字に転換した。営業黒字は19年12月期以来5年ぶり。グループ全体の足を引っ張っていた携帯電話事業の赤字縮小が寄与した。純損益は1624億円の赤字だった。
売上高に当たる売上収益は前期比10・0%増の2兆2792億円だった。主力のインターネットサービス事業で、ネット通販サイト「楽天市場」が堅調だった。クレジットカードや銀行といった金融事業も好調だった。
携帯事業単体の赤字は2089億円となり、前期の3145億円から減った。楽天グループの三木谷浩史会長兼社長は14日、オンラインで記者会見し「利益がしっかり上がっていく段階まできた」と強調した。
携帯事業はNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの大手3社に対抗している。24年6月に屋内でもつながりやすい周波数帯「プラチナバンド」によるサービスの提供を開始。12月には契約回線数が仮想移動体通信事業者なども含めた全契約ベースで830万回線を超えた。