【ハノイ共同】ベトナム戦争で米軍が散布した枯れ葉剤の影響とみられる結合双生児として生まれた「ベトちゃんドクちゃん」のグエン・ドクさんの人生を描いた長編ドキュメンタリー映画が2月28日、ベトナムで劇場公開された。今年は戦争終結から50年。ドクさんは首都ハノイで公開記念上映イベントに登壇し「平和を守るため、自分たちができることを考えて」と呼びかけた。
映画は「ドクちゃん―フジとサクラにつなぐ愛―」。今も健康問題を抱えるドクさんの苦闘や、妻子との日常、日本との交流も描写した。
観客からは「戦争が終わって長いが、今も枯れ葉剤で苦しんでいる人がいる。心に響いた」「もっと歴史を学ぶ必要がある。平和の尊さを感じた」といった声が聞かれた。
ドクさんらは下半身がつながった状態で生まれ、1988年に日本の支援で分離手術を受けた。兄のベトさんは2007年に死亡した。
ベトナム戦争中、米軍は敵が潜む密林などを狙い枯れ葉剤を散布した。300万人以上に健康被害があったとされる。映画は日本では昨年公開された。