スギやヒノキの半分ほどの約20年で出荷でき、家具や内装の材料となる広葉樹「センダン」の普及を進める長崎県西海市は5日、同市大瀬戸町のモデル林で、木を直線状に育てるために脇芽を切り落とす「芽かき」の体験会を開いた。
センダンは幹曲がりや枝分かれすることから、植林には向かないとされてきた。栽培先進地の熊本では苗木を植えた後の数年間に「芽かき」をすることで、直線状に育てる方法が確立されている。
モデル林は約1ヘクタール。3月に400本を植えた。この日は市民ら約40人が集まり、高さ1.5メートルほどに育った木の脇芽を切り落とし、切断面に殺菌剤を塗る「芽かき」を体験した。
同市の「川内緑の少年団」で活動する辻ひまりさん(9)は「植えたときよりも葉が多い。一番上の枝を探し、他の枝を切るのが面白い」と話し、作業を進めていた。
センダンは大気中の二酸化炭素(CO2)の吸収が一般的な広葉樹の3倍とされ、西海市は脱炭素社会へ向けた林業振興の一つと位置付けている。体験した杉澤泰彦市長は「植える。切る。使うのサイクルを整え、伐採時期を迎えたヒノキも併せ、経済の循環につなげたい」と話した。
センダンの「芽かき」体験 緑の少年団員ら楽しむ
長崎新聞 2021/06/06 [23:31] 公開