長崎県高体連の事務局、理事長、理事、顧問、現在の会長職を務め、30年近くにわたって県高総体の運営に携わってきた後藤慶太会長(長崎南校長)。2年ぶりの開催となる県高校スポーツ最大の祭典について、魅力や意義を語ってもらった。
-県高総体を2年ぶりに開催できることについて。
1年前に県高総体がなかったことは、子どもたちにとって大きなショックだっただろう。今年の県高総体を何とかして開催することは、私に与えられた職務ではないかと思っていた。この1年間、コロナ対策をしながら、部活動やその発表の場となる県高総体をいかに実施できるかを、各専門部や学校の先生たちと考えながらやってきた。
-長崎の県高総体の特徴を。
「オール長崎」の高校生のイベントと言える。残念ながら、今年も中止となってしまったが、長崎県高総体の総合開会式は日本一だと思っている。離島や特別支援学校の生徒も含め、多くの学校が参加して入場行進を行っているところは全国で見ても少ない。学校の代表として参加する選手だけではなく、式典を支える吹奏楽やマーチング、合唱、放送、花の栽培…学校の教育活動を挙げて実施している。
-今年は原則無観客だが、各競技の応援なども多いのでは。
例年は競技によって全校応援をしたり、運動部以外の生徒たちも各会場で仲間の勇姿に触れたりする。他県は各競技の「全国大会予選」という側面が大きく、競技に関わるのは主にそれぞれの部員。一方、長崎は総合開会式も含めて、選手、応援、サポートなど、高校生全員が何らかの形で大会に携わる。
-今年はどんな大会になることを願うか。
感染症対策を講じて、まずは安全安心に実施できることが一番。エントリーしたすべての選手たちがコロナなどに感染せずに本番を迎え、無事に終えてほしい。
-原則無観客について。
特に子どもたちを近くで支えてこられた保護者の方々には、大変申し訳ない。すべての競技の安全安心な開催のため、どうかご理解いただきたい。
-大会に臨む高校生たちにエールを。
県高総体に出られずに卒業した昨年の先輩たちの分も合わせた2年間の思いを込めて、ベストコンディションで臨んでほしい。目に見える応援はないかもしれないが、多くの人たちがみんなを後押しし、サポートしてくれている。そのことへの感謝の気持ちを忘れずに。そして、ここを一区切りに部活を引退する生徒たちも多いと思う。最後の最後まで持てる力を十分に発揮して、悔いのない試合をしてほしい。
【略歴】ごとう・けいた 1984年に保健体育教諭として採用された。95年から15年間、長崎西高に勤務。県高体連の事務局を担当した後、2008年から2年間、理事長を務めた。その後、県体育保健課体育指導監や国見高校長などを経て、20年から現職(長崎南高校長)。専門競技はバスケットボールで、監督として長崎西高を全国8強へ3度導いた。座右の銘は「平凡を積んで非凡となす」。59歳。長崎市出身。