3期12年の市政継続を訴えた宮本明雄さん。「蒔(ま)いた種の花を大きく咲かせたい」と訴えたが、まさかの苦杯をなめた。
市職員出身。副市長を経て、2009年の市長選で初当選。以来、財政健全化や雇用の受け皿となる産業団地の整備、諫早駅周辺再開発など「50年に1度の大変革期」を引っ張った。
過去3回と違い、悩んだ末の出馬だった。めどが付くはずだった大型事業に遅れが出始め、数多くの支援者から「コロナ禍のかじ取り役」を懇願され、決意したのは昨年11月だった。
中小企業関係者らが推す元国家公務員と知名度の高い元国会議員の出馬で支持層が割れた。公明など主要政党や連合長崎の推薦も得られず、逆境を乗り越えられなかった。
幸町の選挙事務所に落選の知らせが届くと、詰め掛けた支持者は、ぼうぜんとした表情で天を仰いだ。宮本さんは「市の基礎をしっかりつくった自負はある。期待に沿えず申し訳ない」と敗戦の弁を述べた。
「期待沿えず申し訳ない」 宮本さん まさかの苦杯 諫早市長選
長崎新聞 2021/03/29 [09:58] 公開