【解説】東インド会社とは 世界最初の株式会社

長崎新聞 2021/02/25 [10:14] 公開

 オランダ東インド会社(VOC)は1602年、設立。日本、台湾、タイ、マレーシア、インドネシア、スリランカ、インドに事業拠点の「商館」を置いた。英国出身で、徳川家康の家臣だったウィリアム・アダムス(日本名・三浦按針(あんじん))はVOCの代理人も務めた。
 組織運営について、事業継続を前提に出資者の有限責任制を導入、株式を自由に譲渡できるようにしたことから「世界最初の株式会社」と呼ばれる。商館のある地域ごとに物産の集積、貿易、事業管理など役割を持たせた物流網の構築、帳簿の書式を統一したVOCの商慣行は、現代グローバル企業の手法に重なるといわれる。
 VOCとの貿易に関し、平戸藩は一部の民間貿易船に藩主、松浦家の旗印を掲げることを許可し、海賊からの襲撃を防ぐ役割を果たすなど深く関わった。しかし、幕府は1640年、平戸の商館施設の破壊命令を出し、41年に商館を長崎に移転。平戸での公式の海外貿易は終わった。