九州最大 クルーズ船拠点完成 佐世保浦頭 コロナで供用開始は未定

2020/08/04 [23:34] 公開

国際クルーズ拠点として完成したターミナルビル=佐世保市浦頭地区(佐世保市提供)

 長崎県の佐世保港の浦頭地区で建設が進められていた国際クルーズ拠点のターミナルビル「佐世保クルーズセンター」が完成した。佐世保市によると、延べ床面積は約6500平方メートルで、クルーズ客船のターミナルビルとしては九州最大。ただ、新型コロナウイルスの影響で供用開始の見通しは立っていない。
 国は2017年、佐世保港を「国際旅客船拠点形成港湾」に指定。国と同市、世界最大手のクルーズ会社「カーニバル社」が連携して拠点施設を整備する協定を結んだ。
 ターミナルビルはカーニバル社が整備。白を基調とした一部2階建て。1階に税関・出入国管理・検疫(CIQ)のほか、免税店、観光案内所、待合室のスペースを備えている。2階にはカーニバル社の事務所を設ける。
 事業費は約18億円。当初4月の供用開始を目指していたが、工事作業の遅れや新型コロナの影響で7月末まで工期が延びていた。
 今月中に市が周辺通路を整え、拠点施設は全て完成する。ただ新型コロナでクルーズ客船の出入国が制限される状況が続いており、市港湾部は「船が寄港しなければターミナルビルも供用を開始できない。事態の収束を待っている」と気をもむ。