長崎県新上五島町教委は奈良尾郷の国指定天然記念物「奈良尾のアコウ」の保存活用計画を策定した。定期観察を通じ、継続的な保全活動につなげる。
町教委によると、アコウは奈良尾神社境内にあり、樹齢650年を超える。樹高約19メートル、幹の周囲は約10.8メートル。1961年に国の天然記念物に指定された。訪れる人が多く、島の観光スポットとして親しまれている。
一方で、幹や枝の一部に腐朽が確認され、寿命への影響も懸念されていた。島の財産として守っていこうと、2018年8月から住民や学識者8人でつくる検討委が5回の会合を開催。その意見を踏まえ、町教委がこのほど計画を策定した。
計画では老朽化していたコンクリート製の支柱2本を改修することや、定期観察の方針を明記。落下しそうな枝や葉の様子を住民に季節ごとに観察してもらい、異常があったときは町教委が報告を受ける。
町教委の担当者は「上五島を訪れた人に一度は見てほしい巨樹。奈良尾地区のシンボルとして地元の人みんなで守り続けたい」と話した。
樹齢650年 アコウ守ろう 新上五島町教委が保存活用計画
長崎新聞 2020/06/21 [00:01] 公開