NPT準備委、ロシアとEU応酬 初日から厳しい幕開け

共同通信 2025/04/29 [10:49] 公開

2026年のNPT再検討会議に向けた第3回準備委員会で議長を務めるガーナのアジュマン国連大使=28日、米ニューヨークの国連本部(共同)

2026年のNPT再検討会議に向けた第3回準備委員会で議長を務めるガーナのアジュマン国連大使=28日、米ニューヨークの国連本部(共同)

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 【ニューヨーク共同】2026年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向け、最後となる第3回準備委員会が米ニューヨークの国連本部で28日開幕し、ウクライナ侵攻を巡り対立するロシアと欧州連合(EU)が初日から非難の応酬を繰り広げた。準備委の議長を務めるガーナのアジュマン国連大使は「NPTの崩壊は誰の得にもならない」と合意形成に向け協力を呼びかけた。

 準備委は5月9日まで。最終日に再検討会議でのたたき台となる勧告案の採択を目指すが、厳しい幕開けとなった。前回、前々回の再検討会議は1970年の条約発効以来初めて2回続けて決裂した。

 準備委の各国の意見表明で、EU代表はウクライナに侵攻するロシアを「NPTの軍縮義務を怠り、国際社会を不安定化させている」と非難。ロシア代表は、北大西洋条約機構(NATO)の脅威に対応するためだと侵攻を正当化し、EU側が準備委を利用し「政治化」していると批判した。

 ロシアは、オブザーバーとして参加するEU代表の発言権やその順番など手続きも問題視し、一時紛糾した。