新型コロナ禍の影響により就職説明会のキャンセルが相次ぐ中、長崎県警は今春から動画投稿サイト「ユーチューブ」や「インスタグラム」のアカウントを初めて開設した。受験者増と、より良い人材の確保が狙い。県警は「ユーチューブや会員制交流サイト(SNS)を通じて、幅広い世代に警察をPRしていきたい」としている。
県警警務課によると、例年は各学校を訪問したり合同説明会にブースを出したりするが、今年は新型コロナウイルス感染拡大のためほとんどがキャンセル。就活生の情報量不足を危惧し、同課採用係の若手職員が中心となって4月にユーチューブのアカウントを開設した。翌月にはインスタグラムの運用を開始し、PR動画や写真を随時投稿している。いずれもアカウント名は「長崎県警察採用係」。
ユーチューブの動画では「なっちゃん巡査」と「こーじ警部補」と名付けられた人形2体が登場。声は採用係の警察官が担当している。クスッと笑える軽妙なやりとりを交えながら、県警の組織概要のほか福利厚生や女性警察官の活躍などをテーマ別に紹介。人形は職員の手作りで、動画制作費は「0円」(同係)。動画は約5分で、5日現在で計9本投稿された。
県によると、警察官の採用試験受験者数は2010年度が1277人(競争率7.8倍)、19年度は641人(同5.0倍)。この10年間で採用人数も減少しているものの、受験者はほぼ半減しており人材確保が急務となっている。
なっちゃん巡査を演じる源城なつき巡査長(25)は「一人でも多くの人に親しんでもらえるような情報を」、こーじ警部補役の池田幸司警部補(36)は「情報収集が難しい状況だが動画やSNSを通じて県警に興味を持ってもらい、将来の選択肢の一つにしてほしい」とそれぞれ話した。
コロナ禍人材確保へ 動画やSNSで長崎県警がPR 今春から開設 若手職員が情報発信
長崎新聞 2020/06/07 [23:42] 公開