未来への提言プレゼン 森山さん(諫早特支)全国最優秀 長崎県に受賞報告「ICTの可能性広げたい」

長崎新聞 2025/02/25 [12:20] 公開

プレゼンテーションに込めた思いを語る森山さん(中央)=県庁

プレゼンテーションに込めた思いを語る森山さん(中央)=県庁

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肢体不自由特別支援学校高等部の生徒が、自身の経験で得た視点から未来への提言をプレゼンテーションする全国大会で、長崎県立諫早特別支援学校3年の森山大誠さん(18)が最優秀賞の文部科学大臣賞に輝いた。19日に県庁を訪れ、前川謙介教育長らに受賞を報告した。
 大会は、全国特別支援学校肢体不自由教育校長会と日本肢体不自由児協会主催の「ミラコン2024~未来を見通すコンテスト~第7回プレゼンカップ全国大会」。プレゼンテーションソフトなどを活用し、動画や音声を5分以内にまとめる。
 全国7ブロックで32校70人が応募し、各地方大会を勝ち抜いた7人が全国大会に進んだ。昨年12月に東京都で開かれた全国大会で審査員が作品を視聴し入賞者を選んだ。学校とオンラインでつないで表彰した。
 森山さんは「ICT、活用しようや~タブレット受験を通して~」と題しプレゼン。障害の特性上文字を書くのに時間がかかるが、タブレットを使うことで学習の質が上がり、よりスムーズに試験問題を解くことができるようになった経験を紹介した。
 今では学校の定期試験などでもタブレットを使用。ただ、公平性のため、文字の予測変換をリセットする複雑な操作が必要で、数学では数式入力に対応していないという問題点もあるという。
 森山さんは解決策を挙げ「将来数式入力アプリの開発に携わり、同じような思いをする人の役に立ちたい」。情報通信技術(ICT)の活用にはもっと可能性があり「私自身も可能性を広げ、バリアーを取っ払ってしまうような活動をしたい」と締めくくった。
 県庁で森山さんは「校内予選で学校の友達から刺激を受けた。みんなの思いも発表に込めたつもり」と報告。前川教育長は「誰でも不自由なく過ごせる情報社会に、世の中を変えていきたいという思いがこもったプレゼン」とたたえた。