長崎県内最大の書道公募展「県書道展」(長崎新聞社主催)が今年で50回を迎えたことを記念した講演会が29日、長崎市茂里町の長崎新聞文化ホール・アストピアで開かれ、九州国立博物館(福岡県太宰府市)の富田淳館長が「王羲之(おうぎし)と蘭亭序」と題し講演した。
富田館長の専門は中国書道史。東京国立博物館学芸研究部長、九州国立博物館副館長、東京国立博物館副館長などを歴任し、2023年から現職。著書に「もっと知りたい中国の美術」(東京美術)など多数ある。
富田館長は4世紀の中国・東晋時代の書聖、王羲之の功績や、王羲之が蘭亭の地で宴を開いた際に書いた詩集の序章「蘭亭序」の歴史的価値などを解説した。情感を書の表現に盛り込むことに成功したその作品は、歴代の皇帝が好んで集めたものの、本物は戦乱の時代に失われ、模本や拓本しか現存しないという。「本物が残っていないからこそ尊い。後世に影響を与え、1600年以上愛され続けている」と述べた。
書道愛好家ら250人が聴講。質疑応答もあり、書道教諭からの「子どもたちに王羲之の偉大さを伝えたい。造形や線質をどう気を付けて指導したらいいか」という問いに、富田館長は「歴史的な背景、ストーリーの中で造形を伝えてもらえたら」と語った。
第50回記念県書道展は5月4日まで、同市出島町の県美術館で長崎展中期を開催。後期は同館で同6~11日、佐世保展は同29日~6月1日に佐世保市島瀬町の島瀬美術センターで開く。
富田館長の専門は中国書道史。東京国立博物館学芸研究部長、九州国立博物館副館長、東京国立博物館副館長などを歴任し、2023年から現職。著書に「もっと知りたい中国の美術」(東京美術)など多数ある。
富田館長は4世紀の中国・東晋時代の書聖、王羲之の功績や、王羲之が蘭亭の地で宴を開いた際に書いた詩集の序章「蘭亭序」の歴史的価値などを解説した。情感を書の表現に盛り込むことに成功したその作品は、歴代の皇帝が好んで集めたものの、本物は戦乱の時代に失われ、模本や拓本しか現存しないという。「本物が残っていないからこそ尊い。後世に影響を与え、1600年以上愛され続けている」と述べた。
書道愛好家ら250人が聴講。質疑応答もあり、書道教諭からの「子どもたちに王羲之の偉大さを伝えたい。造形や線質をどう気を付けて指導したらいいか」という問いに、富田館長は「歴史的な背景、ストーリーの中で造形を伝えてもらえたら」と語った。
第50回記念県書道展は5月4日まで、同市出島町の県美術館で長崎展中期を開催。後期は同館で同6~11日、佐世保展は同29日~6月1日に佐世保市島瀬町の島瀬美術センターで開く。