「多額出金」は460万円か…元監査人「知事は了承」 大石知事の政治資金報告書問題 長崎

長崎新聞 2024/07/16 [10:30] 公開

長崎県の大石賢吾知事の後援会の2022年政治資金収支報告書を巡る問題に関連して、大石氏の後援会から元監査人側の口座へ先月、計約460万円が送金されていたことが14日、関係者への取材で分かった。大石氏は先月28日、「私の承認なく、(後援会から)多額の出金がなされており、監査業務を行っていた者に渡った可能性がある」と説明しており、この送金を指すとみられる。元監査人の男性は取材に「知事の了承や指示の下で送金された」としている。
 一連の問題は、大石氏の後援会が県議の後援会から286万円を借りた同報告書の記載が発端。先月24日の県議会で政治倫理上の問題を追及された大石氏は、自主的な外部監査で元監査人に「違法ではないが、誤解を与えかねない」と指摘されたと答弁。同報告書の貸借を「寄付」に訂正する考えを示した。
 しかし、同月28日には訂正を保留すると表明。後援会の資金が元監査人へ渡った可能性が出てきたことを理由に挙げ、詐欺容疑の刑事告訴も視野に入れているとしたが、具体的な内容は「確認中」としていた。
 同報告書を巡り、元監査人は今月10日、大石氏個人から後援会へ2千万円の「架空」貸し付けがあり詐欺などに当たるとして、長崎地検に告発したと発表している。
 大石氏の後援会関係者は取材に対し「コメントできない」としている。
 大石氏は17日の県議会各派代表者会議に出席予定。同報告書の訂正の要否について「説明できるよう準備している」と話している。