タイから長崎市宝栄町の活水高(大岩厚校長、415人)に留学中の2年生、ナーラダー・タクシィリサップさん(16)が、同校吹奏楽部で演奏技術などを学んでいる。「毎日が楽しい。日本や活水高で経験したことはタイの仲間たちにも伝えたい」と語る。
ナーラダーさんは音楽愛好家の父の勧めで中学2年時に吹奏楽を始めた。動画投稿サイト「ユーチューブ」で吹奏楽の著名な指導者、活水高吹奏楽部音楽監督の藤重佳久さんを知り、「日本に行きたい」「活水高で吹奏楽を学びたい」という思いが強くなった。
タイで通っていたダラサムットスクールと長崎市の活水女子大が交流協定を結んでいることもあり、同スクールと活水高の間でも今年2月に留学生受け入れなどの教育交流協定を締結。ナーラダーさんが留学生第1号となり、4月から活水高に通っている。
同校吹奏楽部は今年、九州代表として全日本吹奏楽コンクール(20日、名古屋市)への出場が決まっている。ナーラダーさんはサックス担当で、藤重さんの下、練習に励んでいる。その指導方法は、タイのスクールとは違うという。
例えば演奏でミスをすると、タイの指導者はその部分を後で練習するよう指示するが、藤重さんはすぐに練習し直して修正するよう指導する。「緊張するけれど意識した練習ができる。駄目なところを的確に指摘してもらうなどきめ細かな指導を受けている」と充実した表情。タンギングや音色の出し方など演奏技術もレベルアップしてきた。
来日から半年、日本では複数で一緒に風呂に入る習慣があることなど、文化の違いで戸惑いもあるが、日本の生活や文化には溶け込んできた。シュークリーム、すしがお気に入りだが、タイと比べ全般的に辛い食べ物が少なく物足りなさも。休日は友人と買い物などを楽しむ。「特にプリクラにはまっている」
留学期間は来年2月末まで。「もっとレベルアップし、活水高の一員として全国大会の舞台に立ちたい」と意欲を見せ、「タイに帰ったら日本で学んだ新しい指導方法などを伝える。そして、大学に進む際は活水女子大に戻ってきたい」と話している。
YouTube見て決心 タイ留学生、日本で吹奏楽を 長崎・活水高 ナーラダーさん「毎日が楽しい」
長崎新聞 2019/10/15 [12:00] 公開