長崎・青山町の団地内私道 所有者が一部封鎖 住民は法的措置検討へ

2019/10/03 [00:04] 公開

私道の一部を封鎖するために設置されたブロックやポール。奥が私道、手前は市道=2日午後4時41分、長崎市青山町

 長崎市西部の青山町の住宅団地内にある私道の通行権を巡る問題で、道を所有している福岡県の不動産管理業者は2日、道の一部を封鎖した。困惑する住民側は、弁護団と相談しながら封鎖解除に向け法的措置の検討を本格化させる見通しだ。

 私道は青城自治会内を通り、延べ面積は約3700平方メートル。隣の青山町自治会や若草町の一部の住民にとっても生活に不可欠で、ほかの抜け道は軽自動車がようやく通れる道幅しかない。封鎖により100世帯以上に影響する見込みだ。

 住宅団地は1960年代後半を中心に開発されたが、通行権は今年春以降、問題となった。それまで道を所有していた業者の会社整理に伴い、今の業者が所有者となり、1世帯当たり月額数千~1万円程度の通行料を支払うよう住民に求めた。

 しかし住民側は応じず、業者は今月1日から一般車両の通行を禁止し「不法に侵入すれば法的対応を取る」などと通告していた。タクシーやごみ収集車なども通らないよう求めている。

 2日午後、業者は「進入禁止」と記したブロックやポールで道の一部を封鎖した。その手前でミニバイクを止め、歩いて配達して回る郵便局員の姿もあった。業者は「これまでが『なあなあだった』だけだ」と主張し、ほかの道でも物理的な封鎖を進めるかどうかは「未定」としている。

 封鎖に備え周辺で駐車場を借りたという住民男性(81)は、住宅団地が坂道にあるため「荷物を持って家まで歩くのはつらい。病気の人や高齢者も多い。見殺しにするのか」と憤った。