諫早市長選で再選・大久保潔重さん「長崎県央の存在感高める」【インタビュー】

長崎新聞 2025/03/25 [11:20] 公開

諫早市長選で再選を果たした大久保潔重さん

諫早市長選で再選を果たした大久保潔重さん

大きい写真を見る
〈任期満了に伴う諫早市長選で再選を果たした。市政の課題や今後の抱負を聞いた〉

 -選挙戦を振り返ると。
 「諫早が変わった」という有権者の声が多く、それは悪い見方ではないととらえている。「頼むよ」という言葉も大変うれしかった。

 -投票率は2005年の市町合併後、過去最低の49・81%。前回を8・97ポイント下回り、初めて5割を切った。
 全国的に投票率が低下しているが、最も身近な市長・市議選で5割を切ったのは大変なことだと認識している。諫早駅ビルに初めて期日前投票所を設置したり、学校で模擬投票に取り組んだりしてきたが、投票率を上げる方策を考えなければいけない。

 -2期目の重要政策は。
 市街化調整区域の土地規制緩和に向けて県などとの協議に入り、最短3年で新しい都市計画を作りたい。京セラなどが進出する南諫早産業団地が完売し、近隣で新しい産業団地の造成に入る。トップセールスでさらに企業を誘致していく。
 日本陸連公認のフルマラソン大会「(仮称)長崎ミュージックマラソン」を成功させ、中規模ホールを含む新しい市民交流センター(仮称)建設も進める。大きく町が変わる時期に好循環が生まれており、県央諫早の存在感をもっと高めたい。

 -小長井町で進めている教育改革の今後は。
 4月に三つの小学校を一つに統合し、2028年度には諫早市初の義務教育学校を開設する。小中一貫の9年間、特色あるカリキュラムをつくることで、「この学校に通わせたい」と移り住む人が増えるような改革を進める。
 町の財産である山茶花高原はリニューアルし、県境にあるメリットを生かした集客を増やしたい。そのためにも佐賀県と諫早市を結ぶ高速交通網(有明海沿岸道路)の整備が重要で、有明海を一周できる大きな経済圏が確立できる。

 -合併20年、次の地域づくりに向けた考えは。
 産業をてこ入れし、市民の所得増につなげ、定住人口を増やすことが大切だと考える。ここ3年間、転入者が転出者を上回る「社会増」が続いており、死亡者数が出生者数を上回る「自然減」を緩やかにして人口が増える状況にしたい。選挙で選ばれた市民の代弁者である議会の皆さまの意見を聞きながら、政策を作り提示していく。

【略歴】おおくぼ・ゆきしげ 諫早市出身。長崎大卒。歯科医師、参院議員、県議を経て2021年の市長選で初当選。趣味はアルトサックスの演奏。