大学ラグビー王者・帝京大の新主将、大町佳生(長崎北陽台出身)5連覇、そして日本代表に【インタビュー】

長崎新聞 2025/04/19 [12:00] 公開

「自分たちのやるべきことをやるために、一つ一つしっかり準備していきたい」と目標を掲げる大町=大村市役所

「自分たちのやるべきことをやるために、一つ一つしっかり準備していきたい」と目標を掲げる大町=大村市役所

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1月の大学ラグビー選手権で4連覇を達成した帝京大。この常勝チームの主将に、長崎北陽台高出身の大町佳生(4年)が選出された。U20日本代表でも主将を務めた世代屈指の司令塔が、どんなチームをつくっていくか。今季の目標や自身のこれからなどを聞いた。

 -2年連続で大学選手権決勝にスタメン出場して4連覇に貢献。振り返ってみて。
 2年生の時は自分自身がグラウンドに立って初めての日本一。いろんな思いとか努力が報われた瞬間だった。それを今年も味わえたというのは素直にうれしい。

 -昨季は大学選手権前の対抗戦で早大に敗れ、帝京大の連勝記録が34で止まった。どんな思いだったか。
 逆にあそこで負けたことが、成長するきっかけになったと思っている。一つ一つのプレーの精度だけではなく、ラグビー以外の生活面などの細かいところをチーム全体で見直した。

 -特にどんな点を見直したか。
 たいしたことではないが、もう一回クラブハウスをきれいにするとか、ごみがあったら捨てるとか、靴をそろえるとか。フィールドで結果を出すためには、そういう積み重ねを大事にしないといけないので。

 -そのフィールドの面で。昨季はCTBという接触の多いポジションでの出場が多かった。どちらかと言えば、SOのイメージが強かったが。
 自分が12番(CTB)に入れば、アタックもディフェンスもうまく機能するのかなと思っている。ただ、世界の12番と比べると、何か突出したものやフィジカルの強さが必要。そこを模索している状態で、今季は何か自分の武器をもう一つ見つけていきたい。

 -そんな状況の中で主将の大役を任された。率直な感想を。
 主将になる前から、どういうチームにしようかなとは考えていた。でも、実際になってみると、プレッシャーの大きさも感じている。先を見過ぎずに、しっかり目の前の一つ一つの試合に全力で取り組んでいきたい。それが最後に優勝につながると思っている。

 -兄の尚生(筑波大4年)をはじめ、東海大の副将になった川久保瑛斗(4年)ら、高校時代のチームメートとの対戦もある。正直、どんな気持ちか。
 すごくワクワクするけれど、互いに負けられないので…。目の前の相手にしっかり立ち向かっていきたい。(高校日本代表、U20日本代表で一緒だった)瑛斗は特に意識していると思う。でも、あいつの良さも、苦手な部分も分かっているので。とにかく楽しみ。

 -最後に目標を。
 まずは大学選手権5連覇。自分たちの代も日本一になりたい。長期的な目標としては日本代表としてワールドカップ(W杯)で活躍する。足りない部分はたくさんあるし、通用する部分もあると思っているので、まずは個人の力を伸ばして、目標に向けて頑張っていきたい。

 【略歴】おおまち・よしき 大村市出身。3人兄弟の末っ子で、園児のころから大村ラグビースクールで楕円(だえん)球を追い始めた。大村中を卒業後、兄2人も進学した長崎北陽台高へ。SOとして2年時に全国高校大会(花園)で3回戦進出、3年時は8強入りに貢献した。高校日本代表候補同士のエキシビションマッチのキャプテン。U20日本代表でも主将を務め、サモア、南アフリカに遠征した。パス、ラン、キックのスキルに加えて、ディフェンス力も高い司令塔。身長173センチ、体重84キロ。21歳。