台湾で捕獲アサギマダラ 1匹は県北地区で放たれた?

2019/04/16 [00:13] 公開

台湾で捕獲されたアサギマダラ「SH 11.2 IM 449」(許自由さん提供)

 長距離を移動するチョウ「アサギマダラ」。昨年、日本から台湾へ21匹移動したことが確認されたが、このうち3匹は放たれた場所が不明だ。羽には日本で捕獲した人が記した文字が残っており、アサギマダラに詳しい長崎バイオパークの伊藤雅男副園長(57)は「1匹は県北地区で放たれた」と推測し、放った人を捜している。

 アサギマダラは羽を広げた長さが約10センチで、日本や台湾、香港、インドなどに生息する大型のチョウ。春に北上し、秋に南下するとされるが、移動の詳細は解明されていない。

 日本や台湾などの愛好家は飛行ルートを把握しようと、捕まえた日時や場所を羽に記入して放す調査を続けていて、メーリングリストや会員制交流サイト(SNS)などで情報を交換している。

 現在、放たれた場所が不明なのは昨年11月17日に澎湖島で見つかった「SH 11.2 IM 449」のほか、「デコ 8/13 REO-9」「10/13 直子あけぼの」と記された3匹。長野県の愛好家がホームページ「ついつい企画」で情報提供を呼び掛けている。

 伊藤さんは「SH-」と記された1匹は県北地区で放たれたとみている。「SH-」の意味は「IMさんが11月2日に放した449番目。SHは場所を示す」と推測。「IM」と記されたチョウは、昨年9月27日に平戸市の安満岳で「HY 9.22 IM144」という羽が傷んでいない個体を見つけたほか、過去に数回、佐世保市と平戸市で確認したことがあるという。

 伊藤さんは1997年以来、約8万匹を県内各地から放ったが、このうち台湾で見つかったのはわずか9匹。「台湾への移動は夢のような出来事。今回放った人に伝えたい」と望んでいる。