干陸地にクロスカントリーコース 諫早・深海地区

2019/03/28 [16:10] 公開

 コスモスの名所で知られる長崎県諫早市高来町深海地区の干陸地フラワーゾーンそばに「いさはや水辺のクロスカントリーコース」が27日、完成し、約360人が走り初めをした。近くを流れる本明川や雲仙の山々の景観が楽しめるコースは、陸上競技者らの基礎体力づくりや市民の健康増進の拠点として活用が期待される。
 干陸地は、国営諫早湾干拓事業で湾を閉め切った後に創出した約21ヘクタール。地元住民によるNPO法人拓生会(増山忠男理事長)が管理し、秋には約5ヘクタールのコスモス畑が広がる。
 国土交通省長崎河川国道事務所が昨年から、工事用残土を活用、同ゾーン内に管理用通路を整備。併せて、長崎陸協の松元利弘専務理事に同通路を使ったクロスカントリーコースの監修を依頼。最長2.2キロ(幅平均6メートル)の4コースをモデルコースと設けた。
 27日の走り初め式で、長崎陸協の栗林英雄代表理事は「大会や合宿誘致、選手育成の拠点として全国に広めたい」、増山理事長は「残る干陸地にもスポーツ関連施設が整備されたら協力したい」と述べた。
 テープカットの後、市内で合宿している県内外の高校陸上部員が試走。県立諫早高2年の黒川光さん(17)は「風が心地よく、景色もきれい。途中、アップダウンがあり、いい練習環境になりそう」と話した。
 同町の小学生でつくる陸上クラブ「高来クラブ」は、コース沿いに距離を示す看板を製作。市立高来西小5年の古賀友翔君(11)は「走る人が分かりやすいように、という思いを込めて作った」と話した。

いさはや水辺のクロスカントリーコースを走る高校生ら=諫早市