延焼拡大の恐れない「鎮圧」に 長崎・五島の林野火災 鎮火に向け最終確認を

長崎新聞 2025/04/09 [10:40] 公開

鎮圧後に出火現場付近を視察する大石知事(右)=五島市松山町

鎮圧後に出火現場付近を視察する大石知事(右)=五島市松山町

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7日午前に長崎県五島市松山町で発生した林野火災について、県は8日、延焼拡大の恐れがない「鎮圧」状態になったと発表した。同日朝から消防隊員が残り火の消火作業など再燃の恐れがない「鎮火」に向けた最終確認を行っており、9日も作業を継続する。
 県によると、今回の火災では約6ヘクタールが焼失。7日には五島市が周辺住民に避難指示を出すなど、市民生活にも影響が及んだ。市消防本部によると、出火現場近くの事業所で伐採した雑木を燃やしていたとの情報があり、飛び火の可能性も含めて出火原因を調べている。
 8日は地元の消防・消防団94人に加え、長崎、佐世保両市、県央地域広域市町村圏組合消防本部、新上五島町消防本部から駆け付けた30人も活動。同日午前6時過ぎからは自衛隊ヘリによる上空からの散水が行われ、その後、県の防災ヘリが煙の有無を調査。午前8時に市消防本部が「鎮圧」と判断した。
 市消防本部の署員ら地上隊は4方向から現場に入山し、大木などに残る延焼の恐れのある火種の消火作業に当たった。引き続き9日も現場の状況を調査する。
 大石賢吾知事も8日、鎮圧後に出火現場付近を視察。「消防や関係機関が迅速に連携して対応してくれた」と感謝を述べた上で、「離島では消防資源が限られており、アクセス困難な現場も想定される。今回の活動を検証し、注意喚起と周知啓発を進め、迅速かつ確実な対応につなげたい」と語った。