広い余白に他人思う人柄 ローマ教皇フランシスコのメッセージ 長崎原爆資料館に展示

長崎新聞 2025/05/03 [10:01] 公開

2019年に長崎の爆心地などを訪れたローマ教皇フランシスコがメッセージを寄せた芳名録=長崎市、長崎原爆資料館

2019年に長崎の爆心地などを訪れたローマ教皇フランシスコがメッセージを寄せた芳名録=長崎市、長崎原爆資料館

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4月21日死去したローマ教皇フランシスコが2019年に長崎市内を訪れた際、平和や不戦のメッセージを寄せた長崎原爆資料館(平野町)の芳名録が、22日から同館で展示されている。イタリア語で「この資料館を訪れる全ての方々にお願いします。平和のために祈ってください。決して破壊があってはなりません、決して戦争があってはなりません!」とつづられている。展示は6月末まで。
 当時、教皇の資料館訪問は実現しなかったが、市がカトリック長崎大司教区を通じて来館者へのメッセージを依頼。教皇は市内で休憩中に記したという。普段は同館の保管庫に納められている。
 教皇は小さな字でメッセージを記し、多くの余白を残している。理由について市平和推進課の松尾美香課長は当時、関係者から「(教皇は)スペースを占めると他の人が書く場所がなくなると考えていた」と聞いたという。松尾課長は「他人を思いやる人柄をしのぶエピソード」と語る。