【独自】鎮西学院長の姜尚中氏 元監事に「大学生以下だ」 第三者委「極めて不当」と認定 長崎県諫早

長崎新聞 2025/05/03 [05:00] 公開

大学、高校、幼稚園を経営する長崎県諫早市の学校法人鎮西学院の姜尚中(カンサンジュン)学院長(74)が、昨年2月に開かれた理事会の中で、当時監事だった男性弁護士に対し、「大学生以下だ」などと発言し、学院が設置した第三者委員会の調査で「発言は極めて不当」と認定されたことが2日、分かった。

 政治学者で作家としても活躍する姜氏は2018年に学院長に就任。21年からは鎮西学院大の初代学長を兼務している。

 法人の業務を決め、理事の職務の執行を監督する理事会は、学院長らで構成。監事は理事の業務執行の状況などについて、理事会に出席して意見を述べることと私立学校法で規定されている。

 調査報告書などによると、監事が学部長選挙に関する疑念を指摘する意見書を理事会に提出したことに対し、姜氏が「事実関係を調査しないまま」提出した行為を批判する趣旨で発言したとされる。

 「監事としても弁護士としてもふさわしくないということであれば、登録されている弁護士会に私の方から連絡する」との発言も確認され、第三者委は「監事の職務執行に対して圧力を加えるものにほかならない」と指摘。結論で「理事会は(姜氏について)これをもって理事の解任事由に該当するか、今後再任すべきかなどといったことについて総合的に議論し、決するべきである」とした。

 学院は2日夕、ホームページ(HP)で調査報告書を公表。「結果を真摯(しんし)に受け止め、今後の法人経営の改善に向け、誠実に取り組んでいく」としている。

 姜氏は同日、HP上で所感を発表。学長を務める大学の業績が改革によって上向きつつある現状に触れ「伸長にまるで水をさすような出来事が起きたことは、心外であり、遺憾」とした。「不当」とされた発言については、監事に事実関係の確認の有無をただしたが「無視」をされたとし、その結果、両者間で起きた「事実認定」と「価値判断」を巡る「論争」だと主張している。

 一方、監事だった男性弁護士は長崎新聞の取材に「(第三者委の)調査報告書の内容を確認できていない」とした。