雲仙岳災害記念館、リニューアルオープン 太田名誉教授の研究室を拡充…1600点の資料を閲覧可能

長崎新聞 2025/02/28 [12:30] 公開

普賢岳噴火災害時の溶岩ドームの写真など、約1600点の資料が閲覧できる「太田一也研究室」について説明する杉本館長=島原市、雲仙岳災害記念館

普賢岳噴火災害時の溶岩ドームの写真など、約1600点の資料が閲覧できる「太田一也研究室」について説明する杉本館長=島原市、雲仙岳災害記念館

  • 普賢岳噴火災害時の溶岩ドームの写真など、約1600点の資料が閲覧できる「太田一也研究室」について説明する杉本館長=島原市、雲仙岳災害記念館
  • 「プロジェクションマッピングルーム」のイメージ画像。調査船に乗って、普賢岳内部を探索しているような映像をCGで体験できる(シダックス社提供)
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雲仙・普賢岳噴火災害の記憶や教訓を伝える「雲仙岳災害記念館」(長崎県島原市平成町)が3月1日、リニューアルオープンする。7年ぶりの改装で、展示スペースを約1・5倍の約2650平方メートルに拡充。“普賢岳のホームドクター”と呼ばれ、先月90歳で亡くなった太田一也・九州大名誉教授が寄贈した研究資料など約1600点が無料で閲覧できる専用資料室を25平方メートルに拡充した。内覧会が27日、関係者を招き開かれた。

 「太田一也研究室」は約25平方メートル。太田さんが噴火災害時(1990~96年)時に空撮した溶岩ドームなどのアルバム(収蔵写真計約1万枚)も含まれる。杉本伸一館長は「研究者だけではなく、地元の中高生の学習などにも活用してもらえたら」と話した。

 有料の常設展示には、91年の大火砕流で亡くなったクラフト夫妻が撮影した世界の活火山写真・映像展示コーナー「クラフトがみた火山」(約150平方メートル)も加わった。

 火山内部をCG映像などで疑似体験できる「プロジェクションマッピングルーム」(約36平方メートル)には、最大18人が入室でき、調査船に乗り普賢岳内部を探索しているような約3分間の映像を観賞できる。

 同館は県が建設し2002年に開館。リニューアルは、本年度からシダックスグループ(東京)が指定管理者を受託したことを受けて実施した。総事業費は約1億5千万円を見込む。

 このほか、子ども向け遊具が設置されている既存の「こどもジオパーク」には大型スライダー(高さ約5メートル、長さ9メートル)など3遊具が新たにお目見えした。

 常設展入場料は、大人1人1050円などリニューアル前と同額。こどもジオパークは中学生以上同400円、小学生以下同500円に値上げする。