全商検定「9冠」達成! 長崎女子商高で初、今春卒業の中村さん「人生の大きな財産」

長崎新聞 2025/03/04 [12:30] 公開

卒業証書と特別賞の賞状を受け取った中村さん=長崎市、長崎女子商業高

卒業証書と特別賞の賞状を受け取った中村さん=長崎市、長崎女子商業高

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長崎女子商業高(長崎市栄町)を1日に卒業した中村叶夢(かのん)さん(18)が、商業の専門知識や技能を問う「全商検定」(全国商業高等学校協会主催)で、在学中に9種目で最上位の1級に合格する「9冠」を同校で初めて達成した。卒業式では学校から特別賞が贈られた。

 全商検定の種目は簿記や英語、電卓などがあり、それぞれ年に1、2回試験がある。同協会によると、本年度卒業の高校生で9冠を達成したのは全国で77人。

 同校卒業生の姉が検定に挑む姿を見ていた中村さん。「就職に向けて取りたい」と、1年時の6月に授業で受けた電卓の2級試験を皮切りに、上位級を目指し始めた。次第に楽しくなり、学校では習わない珠算やプログラミングの検定にも挑戦。放課後に先生や友人に聞き、問題集を何度も解いた。

 英語の1級は1年時の試験で合格まで1点足りず悔しい思いをし、翌年の再挑戦で取得した。友人と励まし合って1級合格を重ね、今年2月の商業経済の試験で目標を達成。家族は自分以上に喜んでくれたという。卒業前には「日商簿記」の2級も合格した。

 長崎スタジアムシティ(長崎市幸町)を運営するリージョナルクリエーション長崎に就職し、4月から社会人となる。地元の歴史が好きで、中学生の頃に3級を取得した「長崎検定」の挑戦も検討中。趣味の長崎ヴェルカの試合観戦も続けるという。

 卒業式では、大きな功績を残した生徒に贈られる特別賞などの賞状を受け取った。卒業生代表の答辞を述べ「達成感と大きな自信を感じている。私にとって人生の大きな財産」と充実した高校生活を振り返った。