第2種運転免許試験 あすから英語による試験を可能に 外国人材受け入れへ 長崎県警 

2024/05/06 [11:30] 公開

 バスやタクシーなどを運転するために必要な「第2種運転免許」の学科試験について、長崎県警は7日から英語による試験を導入する。運転手の労働時間規制を強化する「2024年問題」を背景に、人手不足が深刻な運輸・運送業界に外国人労働者を受け入れやすくする狙い。
 警察庁が20言語に対応した問題例を全国の警察に配布。各都道府県警が問題例を参考に、地元の外国人の居住実態を踏まえ、問題を作成する。福岡県警では、英語のほか、中国語、ベトナム語、ネパール語での試験に対応。長崎県警は、県内の情勢に応じ、英語以外も増やしていく考えで、自家用車を運転できる「第1種運転免許」の試験は英語、中国語、ベトナム語の3カ国語を導入している。
 県警運転免許管理課によると、「第2種」は昨年709人が試験を受け、合格率は31.6%。約70%が合格する「第1種」と比べ、ハードルは高い。同課の宮園清次席調査官は「外国人が受験しやすい環境を整え、労働者不足を少しでも解消できれば」と話す。
 政府は3月、業界団体からの要望などを受け、外国人労働者を中長期的に受け入れる特定技能制度の対象に、自動車運送業分野(バス、タクシー、トラック)の追加を決定した。
 外国人ドライバーについて、タクシー県内大手のラッキー自動車(長崎市)は、社内で議論しているといい、「制度が整い、受け入れの間口が広がることは喜ばしい。簡単ではないが、機会があれば受け入れたい」とする。目的地や道順など日本語による細かなコミュニケーションを不安視する一方、外国人観光客の多言語対応ニーズも見込む。
 長崎自動車(長崎バス)と県交通局(県営バス)はいずれも「具体的な検討はまだない」。県営バスは「まずは全国的な動きを見て、それから判断していくことになるだろう」とした。