積極果敢な大卒ルーキー V長崎のDF・モヨマルコム強志(22) 法大から今季加入    

2024/04/21 [12:25] 公開

試合を重ねるたびに成長した姿を見せているモヨ=諫早市、トランスコスモススタジアム長崎

 今季、法大から加入したV長崎のDFモヨマルコム強志(22)が輝きを放ち始めている。3月24日の第6節甲府戦で後半途中からピッチに入り、Jリーグデビューを果たすと、第7節から4試合連続で先発。「やっと試合感覚がつかめてきた。課題だらけだが、一つずつ修正はできている」。若き右サイドバックは試合を重ねるたびに成長している。
 飯尾竜太朗の負傷というアクシデントで急きょ訪れた初めての出場機会。ホームの大歓声を受けてプレーした約40分間は「楽しかった」。この日が初のベンチ入りで、母親も大阪から応援に来てくれていた。空回りしないように気持ちを落ち着かせることを心がけた。ただ、それが消極的な姿勢につながった。「もっと強気にいけたはず」。スピードを生かした突破力を十分に発揮できないまま、デビュー戦は終わった。
 初先発となった第7節栃木戦は「チャンスをものにする」と気持ちを高ぶらせた。右サイドから果敢にドリブルを仕掛けて好機を演出。自らもゴールに迫った。後半19分、クロスバーからはね返ったボールを頭で合わせる。40分にはクロスのこぼれ球に反応してポスト直撃のシュートを放った。フル出場して最後まで上下動を繰り返した。引き分けに終わったが、手応えもあった。
 試合後、下平隆宏監督は「細かなミスやポジショニングの甘さはあるが、勢いがあって可能性を感じさせる。高さに対しても負けていなかった」と評価して、今後の成長に期待を寄せた。
 G大阪ジュニアユースまではFWやサイドハーフだったが、東福岡高でサイドバックに転向。大学時代はU-19、20の日本代表候補にも選ばれた。昨年の沖縄キャンプに呼ばれ、練習試合で181センチ、80キロの体格を生かした守備と持ち前の突破力を披露してオファーを勝ち取った。他にも複数のJクラブから誘われたが「最初に声をかけてくれた恩がある」とV長崎入りを決めた。
 V長崎は今月2日にJ1名古屋からサイドバックの成瀬竣平を獲得。U-20日本代表候補の合宿でもポジションを争ったライバルの加入で定位置争いは激化するが「自分なりの良さで勝負していく」と譲る気はない。
 「サイドバックはモヨ選手。子どもたちにそう言ってもらえるような存在になりたい」
 V長崎の将来を担う大卒ルーキーは、プロとして大きな一歩を踏み出した。