不要品リユース事業「おいくら」開始 佐世保市が企業と連携 廃棄物削減、循環型社会を目指す

2023/12/16 [11:15] 公開

 佐世保市は民間企業と連携し、不要品リユース事業「おいくら」を始める。不要となった家電や家具、洋服などの買い取りをインターネットから申し込むと複数の業者が査定し、店舗に出向くことなく売却できる。廃棄物の削減と循環型社会を目指す。県内で初めての取り組み。
 「おいくら」を提供するのはリユース事業などを展開する「マーケットエンタープライズ」(東京)。2021年7月以降、全国の自治体と協定を結んでいる。市廃棄物減量推進課によると、不要になった家電や家具などは粗大ごみとして捨てられ、22年度の収集個数は約1万1500個、収集量は280トンに上った。中にはまだ使えるものもあるという。
 連携によって期待されるのは、不要品を処分する市民の負担が軽減される点。粗大ごみの場合、市は物の大きさや品目によって520円~1560円で収集しており、市民が決まった場所に搬出する必要もある。一方、「おいくら」は市民の費用負担はなく、希望すれば自宅まで取りに来てくれる。捨てずに再利用することで、廃棄物を減らし二酸化炭素(CO2)の排出抑制につながる。
 市のホームページから申請でき、複数の買い取り業者が提示した査定額の中から要望に合った業者を選ぶ。対象は、家電やカメラ、家具、DVD、スマホ、洋服、ブランド品など。激しい損傷や故障があるもの、飲食物、模造品などは対象外。
 同課は「廃棄ではなくリユースするという選択肢を知ってもらい、廃棄物処理量の削減につなげていきたい」と話している。