S東美 来春閉店へ 長崎「松竹会館」老朽化で解体

2023/10/13 [05:00] 公開

S東美が入居する「長崎松竹会館」=長崎市浜町

 長崎市浜町のスーパーS東美本店が来年春をめどに閉店することが12日、分かった。入居する商業ビル「長崎松竹会館」が老朽化に伴い解体されるため。ビルを所有する谷川建設は建て替える方針だが、解体の時期や新しい建物の規模、用途などは未定としている。
 ビルは1966年建築で地下1階、地上8階の鉄筋コンクリート造。現在はS東美の運営会社「東美」が、谷川建設から借り受け、地階~3階までを商業エリア、8階を本社オフィスとして使用している。
 東美などによると、ビルは新築から50年以上が経過し、耐震性に問題があるとして従業員や客の安全確保のために解体が決まった。S東美を別の場所に移転して営業するかは検討中。本社オフィスは移転先を探している。ビル内に入居していたインターネットカフェは9月に移転。現在営業中のコーヒーチェーン店や100円ショップなどは退去に向け、調整中という。東美が市内で展開するスーパ「Sマート」4店舗は営業を続ける。
 東美は23年創業の「佐々木商店」が源流。戦後に衣料品や美術品を扱う「東洋美装店」を設立し、現ビルに移転した66年に現在の社名に改めた。ビルは、松竹系の専門映画館を含む複合商業施設として建設され、開業時は地階~6階までをS東美が使用し、7、8階は映画館やビリヤード場などの娯楽施設、屋上にバッティングセンターがあった。映画館は2002年に閉館した。