長崎市3中学校「統合」方針 2028年4月 生徒数減少や校舎の老朽化など

2023/09/09 [11:00] 公開

 長崎市教委は8日の定例市議会一般質問で、市立桜馬場、片淵、長崎の3中学校を統合する方針を示した。2028年4月に統合し、築年数が最も浅い片淵中を仮校舎に使用。33年4月に桜馬場中の跡地に建設する新校舎に移転する予定。学校施設の老朽化と生徒数の減少が理由。

 福澤照充議員(公明)に橋田慶信教育長が答えた。
 市は17年に策定した「市立小中学校における規模の適正化と適正配置の基本方針」を基に、18年度から3校の在り方を検討。3校と各校区内にある5小学校の保護者代表、地域自治会などと協議してきた。
 今年5月時点の生徒数は桜馬場中404人、片淵中116人、長崎中192人。今後5年間で3校合わせて100人以上減る見込み。桜馬場中は築70年、長崎中は築53年で老朽化が進んでいる。
 3校を統合した後、新たな学校名を付ける。市教委適正配置推進室によると、新校区は東が本河内地区、西は浜平地区、南は出島町、北は西山地区-のエリア。統合時に入学予定の生徒のうち、学校から自宅が最も遠い生徒の通学距離は4キロになるという。
 福澤議員は今年8月に3中学校校区ごとに開かれた保護者説明会で、片淵中までの通学手段を懸念する声が上がったと指摘。片淵中は最寄りのバス停から15~20分ほど階段などを歩くため、重い荷物を持った生徒の負担増や夕方以降の安全対策に不安があるとした。
 福澤議員はスクールバス運行の検討を求めたが、橋田教育長は本年度中にも設置する「統合検討会」で課題を話し合う考えを示した。同検討会は3中学校区や5小学校区の保護者や地域住民らで構成する予定。