不登校の子どもの選択肢に 元教員が長崎・フリースクール「アリビオ」7月開校へ

2023/06/19 [12:00] 公開

フリースクールを開設する大石さん=長崎市大井手町

 長崎県長崎市大井手町に7月1日、不登校の子どもたちを支援するフリースクール「アリビオ」が開校する。代表者は3月まで長崎市立中学の教頭を務めていた大石真弘さん(54)。残りの人生を不登校の子どもに注力しようと早期退職を決意した。
 大石さんは長崎市出身で、小学6年時に福岡市に転居した。環境が変わって友人関係などで悩み、中学2年まで不登校を経験した。福岡大商学部に進学し、非行少年の家庭教師を務めた体験から、「学校に行けずに悩みや苦しさを感じている子どもを救いたい」と教員免許を取り、長崎県に戻った。
 社会科の教員として32年間働く中で、家庭内不和やいじめ、対人関係など多様な理由で学校に来なくなった生徒の相談に乗ってきた。フリースクール運営に生かすため今年、「不登校訪問支援カウンセラー」と発達障害の子どもを支援する「児童発達支援士」の二つの資格を取得した。
 アリビオはスペイン語で「安心」「ホッとする」という意味。教室では少人数で勉強し、生徒の努力を家庭や学校に伝えようと考えている。心の状態などを把握し、いじめなど原因によっては関係機関につなげる役割も果たす。大石さんは「子どもが選びやすい選択肢の一つになれば」と願う。長崎市教育研究所の連絡協議会に加入している不登校支援の団体は20団体(6月16日時点)。アリビオも加入する。

アリビオはビルの3階。子どもの意見を取り入れてカリキュラムを組む

  定員10人、先着順。月額3万円。長崎市と近郊を中心に小学1年から高校3年生までが対象。登校時間は月-金曜の午前10時~午後2時。午後2時~3時は個別に生徒の相談に乗る。平日午後4時以降と土曜午前9時~午後4時はスクールに通うか悩んでいる子どもの見学などに当てる。日曜定休。
 スクールは同市大井手町のビル3階の1室。部屋には長机を設け、一人で壁を向いて勉強したいなど利用者一人一人の要望を取り入れる。通う頻度や、学習ペースなども保護者を交えて話し合い、子どもの意見を取り入れてカリキュラムを組む。
 学校で働く教員や不登校の子どもの親の相談にも応じる(初回5千円、2回目以降3千円)。申し込みや問い合わせは電話(090.8762.9213)かメール(masahiro520310@gmail.com)で。