5月3日は憲法記念日 長崎県内でも護憲派、改憲派が訴え

2023/05/04 [11:00] 公開

憲法9条改正に反対する青木さん=長崎市魚の町、長崎市民会館文化ホール

 憲法記念日の3日、長崎県内でも改憲派と護憲派が集会を開き、「時代に合わせて改正を」「平和憲法の理念を守れ」とそれぞれの主張を訴えた。

◎「時代に合わせ改正を」

 改憲派の「美しい日本の憲法をつくる長崎県民の会」(三好德明共同代表)は長崎市内で「憲法フォーラム」を開き、安全保障環境が厳しさを増す中、防衛体制などの見直しを求める声が上がった。
 自民党の議員や学生ら約40人が参加。三好共同代表はあいさつで、ロシアのウクライナ侵攻に触れ、防衛費を増額する機運が高まっていると強調。「(政府は)戦争をするためでなく、防御するために(予算確保の)努力している。それぞれの地域で憲法改正の輪を広げたい」と呼びかけた。
 学生団体「憲法をよくする学生プロジェクト」の岡美希元代表(25)は、全国の大学生約1万人を対象に、憲法への自衛隊明記の賛否を聞いたアンケートの結果を紹介。「賛成率は8割を超えている」とし、学生の間で改憲への理解は広がっていると報告した。

◎「平和憲法の理念守れ」

 護憲派の市民集会「ながさき9条フェスタ」(実行委主催)が長崎市内で開かれ、元共同通信社記者でジャーナリストの青木理さん(56)が政治やメディア、憲法をテーマに講演した。
 350人が参加。青木さんへのインタビュー形式で実施。「政治的公平」を巡る放送法の解釈見直し問題について「メディアは市民の公共財産」とし、政権批判への萎縮や自粛をしないメディアの姿勢を訴えた。
 憲法9条に関して、日本の軍事費が世界の上位10位以内で推移している点に触れ、「専守防衛を基本とする9条は危機にひんしている」と批判。昨年、安保3文書に明記された敵基地攻撃能力の保有は「軍事国家への一歩。過去の歴史に学ぶ必要がある」と唱えた。集会後、参加者は市中心部の鉄橋で「守ろう9条」などと記した横断幕やプラカードを持ち、9条改正反対を訴えた。

改憲を求める声が相次いだ憲法フォーラム=長崎市常盤町、ホテルニュータンダ