利用伸び悩み赤字運航 長崎-新上五島町・鯛ノ浦の運航困難 五島産業汽船

長崎新聞 2024/09/13 [11:00] 公開

長崎-新上五島町・鯛ノ浦間で同町所有の高速船2隻を指定管理者として運航している五島産業汽船(同町)が町に対し、現行の指定管理条件では2隻による1日2往復の定期運航が難しいと町に申し出たことが12日、町への取材で分かった。利用の伸び悩みや燃料費高騰が理由。町は条件を見直した上で指定管理者を再度募集し航路維持に努めるか、町営船を廃止するかなどについて議会と協議する。
 同社は町の高速船「びっぐあーす」(293トン、定員300人)「びっぐあーす2号」(295トン、同)の指定管理者。2号は昨年11月まで九州商船(長崎市)が別の航路で使用していたが、指定管理期間満了に伴い町に返却。4月から五島産業汽船が長崎-鯛ノ浦間に投入し、同航路は以前より大きな船での2往復に変わっていた。
 町によると同月以降、町民の利用は増えたが島外からの利用が伸びず、燃料費高騰もあって赤字運航が続いている。町は6月、条例に基づき特別融資基金から1千万円を貸し付けたが改善は見られないという。
 石田信明町長は取材に「町民の利便性向上と町財政への影響を考えながら、真摯(しんし)に協議していきたい」と話した。