■解説/危機感バネに自民結束 民主、地方の脆弱さ露呈 事実上の与野党対決で自民、公明両党が支援した中村法道氏が民主党など与党3党推薦の橋本剛氏を破ったことは、昨夏の衆院選で県内小選挙区を全勝した民主党県連の勢いが止まったことを意味している。 確かに鳩山由紀夫首相、小沢一郎党幹事長の政治とカネの問題をめぐる党への逆風、大仁田厚氏ら候補者乱立に伴う金子県政批判票の分散など、橋本氏や民主党にとって不運は重なった。しかし党県連の候補者選考過程が支持基盤である労働組合の関係者に反発を招いたことも大きかった。 候補者は県議団からげたを預けられた国会議員8人が決めた。しかし協議は非公開の上、選考基準も分かりづらく「密室協議」と批判を浴びた。しかも「脱官僚」を掲げ衆院選に勝利したにもかかわらず選んだのは農水省の官僚だった。こうした姿勢が労組の運動を鈍らせ、結果的に有権者への支持を広げられなかった感は否めない。 橋本氏らは選挙戦で金子原二郎知事が進めた3期12年の県政を批判し刷新を訴えた。しかし具体的にどの政策をどのように変えるのか有権者に具体的に示したとは言えなかった。 中村氏は従来から二つのグループに分かれ主導権争いを演じていた自民党県議団が危機感をバネにまとまって支援したのが大きかった。しかし当初「県民党」を掲げながら告示後は自民党国会議員が連日応援に入るなど、日がたつにつれ自民党色が濃くなった。今後の民主党政権との関係で難しいかじ取りを迫られそうだ。 夏には参院選が実施される。民主党県連は地方組織の脆弱(ぜいじゃく)さを露呈した。一方の自民党県連も候補者選考で一枚岩になれるか不透明で成り行きが注目される。(報道部・西村伸明)
2010年2月22日長崎新聞掲載
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