■激戦区ルポ/諫早市 低調ムードに不確定要素も
中村候補/陣営の緩みを警戒 橋本候補/票掘り起こし懸命
18日午後6時半。橋本候補の陣営と中村候補の陣営が諫早市内で開いた個人演説会はほぼ同時刻に始まった。「なぜか諫早が厳しいといわれているが、私は一人一人が必ず胸に秘めたものを持っていると確信している」。選挙戦で初めて橋本候補の応援演説に立った民主党の西岡武夫参院議員は力を込めた。宮本明雄市長は「大手をふってまいりました」とあいさつし、会場をわかせた。 一方、中村候補の応援演説では弁士から陣営を引き締める言葉が相次いだ。県農政連長崎県央支部の野中彌三支部長は「優勢が伝えられているがそれが一番危ない。熱意と情熱で当選させてほしい」と強調。この日は無党派層を意識し、自民党の小泉進次郎衆院議員も市内2カ所で街頭に立った。 ◇ ◇ 諫早市は民主党の大久保潔重参院議員の地元で、2007年の参院選で自民党候補に約1万2千票差をつけた。昨夏の衆院選でも福田衣里子衆院議員が久間章生氏を約8千票上回った。 しかし大久保氏も福田氏も「個人後援会は弱い」(連合長崎幹部)。頼みの労働組合のうち諫早市職員組合は県職員組合の自主投票を受け、推薦の一つ下の「支持」に決定。こうした中、福田氏の選挙に続きてこ入れに入った三菱重工労組長船支部の前委員長、山下金守氏は16日、市選出の県議、市議らに檄(げき)を飛ばした。「民主党推薦だから自分たちを応援した人は橋本を支持すると考え違いしていないか。声掛けが足りない」 ◇ ◇ 「市民はムードの中で夏風邪をひいただけだ。もうすっかり治った」。山下氏とともに福田氏を支援し、今回は中村候補を支える元県職組書記長の江口満氏は福田氏の勝利をこう例え、自信をみせる。 ただ、中村候補の陣営はどこまで浸透したか不安ものぞかせる。選挙運動は自民党県議や市議、農政連などが中心。だが、自民党県議の運動に温度差もある上、運動員も足りないのが現状だ。新知事をつくる県民の会諫早支部によると、推薦企業・団体は約500に上ったが高尾茂会長は「まだ少ない。企業にもまだ様子見のところが多い」と明かす。 ◇ ◇ 大仁田厚候補(52)や押渕礼子候補(71)、深町孝郎候補(67)も支持拡大を図っており、橋本、中村両候補の陣営は口をそろえる。「何とか諫早で勝ちたいが、票が読みづらい戦いだ」
2010年2月19日長崎新聞掲載
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