知事選


■激戦区ルポ/島原半島3市 3市長は中立守る

中村候補/票差抑えれば十分  橋本候補/3市長は中立守る

最近2回の国政選挙における各候補者の得票 島原半島3市
 自民党の地盤とされる島原半島3市(島原、雲仙、南島原)。知事選では、同党が支援する中村法道候補(59)が地元出身の強みも生かし、有利に戦いを進めているが、“楽勝ムード”の陰で上滑りを懸念する声も漏れる。橋本剛候補(40)を推薦した民主党は農相が応援に入るなど、基幹産業である農林水産業の票の切り崩しを図っている。

 「知事は今まで東京や偉い人から押しつけられてきたが、初めて皆さんの代表が出る」。6日夜、島原市内であった中村候補の個人演説会。候補者と同じ南島原市有家町出身で、自民党の末吉光徳県議会議長は、こう強調し拍手を浴びた。

 同党の島原市議も「(県北出身の)金子原二郎知事の下、佐世保駅前の再開発や西九州道整備などが進んだ。今度は県南だ」と皮算用。支援者は「長崎市で負ける分をここで埋め合わせするため、7対3の割合で(橋本候補に)差をつけたい」と鼻息は荒い。

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 衆院の中選挙区時代から西岡武夫民主党参院議員を支えてきた「西岡党」も往時の集票力は見られない。“党員”のある会社経営者は「経済団体の上層部がみんな中村を支援しているので『橋本で』と大声を出しづらい」とぼやく。

 橋本候補陣営は「2万票差に抑えれば十分」とそろばんをはじく。だが半島の県議6人のうち、橋本候補を明確に支援するのは楠大典県議1人しかおらず、橋本候補を推薦した創爽会の松島完県議は表だった動きを見せていない。父の松島世佳南島原市長が4月に市長選を控え、「動きづらいのでは」とみる。半島には民主党市議もおらず、橋本候補陣営は「手足がない」と嘆く。

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 6日の中村候補の個人演説会の会場は支持者らで埋まった。一見、盤石に見えたが、用意した第2会場は人の姿はまばらだった。ある陣営関係者は「本当に引き離せるのか」と不安をめぐらす。

 加藤寛治自民党県議が組合長を務めるJA島原雲仙は、中村候補を全面的に支援している。だが畜産業界は山田正彦農水副大臣とつながりが深く、県酪農業協同組合連合会は橋本候補を推薦した。ある畜産業者は「生活が厳しいので民主党に期待する声も強い」と明かす。

 こうした空気を読み、赤松広隆農相は11日、雲仙市に農漁業者を集め、橋本候補への支援を呼び掛けた。今後、山田農水副大臣も乗り込み、てこ入れを図る。

 一方、3市長は政権与党に配慮してか、「中立」を強調。旗色を鮮明にすることを避けている。


2010年2月17日長崎新聞掲載